研究課題/領域番号 |
01015051
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋田 充 京都大学, 薬学部, 助教授 (20135594)
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研究分担者 |
瀬崎 仁 京都大学, 薬学部, 教授 (50025681)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 癌化学療法 / ターゲティング / 生理学的ファーマコキネティクス / 臓器クリアランス / 単離腫瘍標本 / モーメント解析 / 抗体結合体 / マイマイシンC |
研究概要 |
癌化学療法においては、癌病巣への薬物到達性が治療効果を左右する最も重要な因子の一つとなっている。しかしながら従来の研究においては、循環血流から腫瘍実質への抗癌剤の移行に関する定量的解析も十分には行われておらず、ましてや腫瘍ターゲティングのキャリヤーとして最近注目を集めている抗体等の毛細血管レベルでの動態については、ほとんど情報が得られていない。そこで本研究では、癌病巣を標的とするターゲティング型抗癌剤開発の方法論の理論体系化を目的として、(1)癌組織における物質移行機構の解明とターゲティング機能の定量的評価を可能とする動物実験法の開発、(2)新しい薬物体内挙動制御技術の開発、の2つの視点より検討を行った。(1)に関しては薬物を担癌動物に全身投与した後の血液中及び各種臓器中薬物濃度の時間推移から得られる、癌病巣への取り込み固有クリアランスと全身クリアランスより、生理学的ファーマコキネティクスを基本として癌組織に対する移行性を総合的に評価するシステムを確立した。また、ラットに移植したWalker256癌の単離腫瘍標本に対する灌流実験技術を確立し、実験で得られるoutflow patternよりモーメント解析やモデル解析を利用して、腫瘍病巣における抗癌剤の移行動態を定量的に解析する方法を開発した。一方、(2)に関しては、高分子化抗癌剤プロドラッグの体内挙動の制御法について検討を行い、電荷や分子サイズ等の物理化学的性質に関する設計指針を確立して、マイトマイシンCはデキストランあるいはモノクローナル抗体との結合体の開発に応用し、さらに糖鎖認識機構を利用したターゲティング技術に関しても検討を行った。今後、以上の結果に基づいて、各種抗癌剤やサイトカイン類を対象に、具体的なターゲティング製剤の開発を進める予定である。
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