研究課題/領域番号 |
01015068
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東江 昭夫 東京大学, 理学部, 教授 (90029249)
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研究分担者 |
田中 一馬 広島大学, 工学部, 助手 (60188290)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1989年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | GAP / GTP型ラス / GDP型ラス / IRA遺伝子 / MSI1 / Saccharomyces cerevisiae |
研究概要 |
1.酵母RAS蛋白機能の調節に係わる新しい遺伝子の性格づけ 我々は、酵母RAS2の不活化に係わると考えられる遺伝子IRA1を同定した。ira1変異体は、RAS2を不活化できず、活性型RAS2が細胞内に蓄積し、cAMP濃度が上昇するために、熱ショックに対して感受性となる。ira1変異株の熱ショック感受性を相補する遺伝子を分離したところ、二種の新遺伝子が得られた。 (1)IRA2:IRA1と高い相同性を示した。ira2破壊株は、ira1破壊株と同様の表現型を示した。遺伝学的解析結果は、IRA1とIRA2は協調して、RAS蛋白の不活化を促進していることを示唆している。 (2)MSI1:IRA遺伝子と異なり、MSI1は、コピー数が高い条件で、活性型RAS、RAS2^<valー19>、変異をも抑圧する。トランスデューシンbetaと弱い相同性を示す。msi1破壊株は生育可能なので、必須遺伝子ではない。 2.IRA1、IRA2の機能領域の限定 IRA1蛋白の一部は、哺乳動物由来のras GTPase Activating Protein(GAP)活性ドメインと相同性を示した(既報)。IRA2遺伝子の各種欠失変異を造成し、強制的に酵母内で発現させて、ira1の相補活性を指標に、IRA2の活性ドメインを限定したところ、その中にGAP相同領域が含まれていた。GAPを酵母内で発現させると、ira1変異を相補した。この結果は、GAPが機能的にもIRA1と似ていることを示している。 3.RAS蛋白のGTP型ーGDP型変換反応の調節 IRA1、ira2、ira1・ira2および野生型中でRAS2あるいはRAS1を多量発現させ、さらに^<32>Pでラベルする。このような細胞からRAS蛋白を特異抗体を用いて沈降させ、RAS蛋白に結合しているグアニンヌクレオチドをPEIーセルローズTLCで分離した。予想通り、Ira^-株では、RAS・GTP型の割合が顕著に増加していた。
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