研究課題/領域番号 |
01015094
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
上出 利光 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00160185)
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研究分担者 |
今 信一郎 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10195886)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | キラーT細胞 / リンパ球遊走因子 / 癌拒絶 / 血管内皮 / 細胞接着 |
研究概要 |
我々はこれまで癌細胞拒絶に中心的役割を担っているのは腫瘍組織内に浸潤するCD8陽性T細胞であり、このT細胞の浸潤は腫瘍増殖局所で産性されるリンパ球遊走因子により制御されていることを示してきた。本年度は今後、キラーT細胞特異的遊走因子の遺伝子クローニングを行うための基礎となるシステム作製を行った。研究の成果は以下の3点に要約できる。 (1)キラーT細胞遊走因子の大量産生系の確立:従来拒絶が進行する腫瘍組織内に浸潤するCD4陽性細胞を、腫瘍塊をコラゲナーゼ処理することにより分離していた。今回は腫瘍細胞で免疫した動物の腹腔内に腫瘍細胞を注入することにより、腹腔内にまず、好中球及びマクロファージが浸出し、次いでCD4陽性T細胞が浸出してくる。このCD4陽性T細胞はキラーT細胞特異的リンパ球遊走因子を産生し、しかもCD4陽性T細胞の回収率は従来の方法の少くとも10数倍である。 (2)リンパ球遊走因子のクローニングのためcomplementary DNAの作製を行っているが、皮下腫瘍内や腹腔内より分離した細胞からcDNA用のRNAを回収する事が不可能であった。したがって腫瘍内に浸潤するCD4陽性T細胞とBW5147細胞の細胞融合を行い各種T細胞ハイブリドーマを作製した。その培養上清を検討した結果、リンパ球遊走活性を示す20数種類のハイブリドーマを樹立した。 (3)リンパ球遊走因子はBoyolen chemotactic chamberを用いたchemotaxisにより同定を行ってきた。我々は部分精製したリンパ球遊走因子がリンパ球と血管内皮との接着を増強することを見い出した。
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