研究課題/領域番号 |
01015099
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079828)
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研究分担者 |
沢井 清司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80192102)
萩原 明郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90198648)
山口 俊晴 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90111327)
橋田 充 京都大学, 薬学部, 助教授 (20135594)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | DDS / 転移 / 活性炭 / リンパ節転移 / 腹膜播種性転移 / マイクロスフェア / モノクローナル抗体 / ミサイル療法 |
研究概要 |
I.微粒子活性炭:微粒子活性炭はリンパ指向性が極めて、リンパ節転移に有用なDDSである。これをリンパ節に直接注入するとリンパ節が遠位に至るまで黒染され、外科的にはリンパ節郭清の指標として極めて便利である。またこの活性炭には、抗癌剤、エタノールなどが吸着ー離脱し癌化学療法のDDSとして有用性が高い。本年度は臨床的にこれを胃癌のリンパ節転移ならびに腹膜播種性転移に応用した。吸着させた抗癌剤はマイトマイシンを、さらにその効果増強を目的としてこれに高濃度のエタノールを用いた。注入法は胃癌の所属リンパ節に直接注入した。注入後速かに胃の所属リンパ節が大動脈周囲リンパ節に至るまで黒染され、黒染されたリンパ節は高濃度の抗癌剤とエタノールが検出されリンパ節転移の化学療法に有効性を発揮した。 II.シスプラケンマイクロスフェア:本年度は新らたにシスプラチンをポリ乳酸で包埋したマイクロフフェアを作製することに成功した。本剤形は除放性が高く、癌性膜炎の治療に有効性が高いことが実験的に確められた。 III.モノクローナル抗体抗癌剤:われわれはこれまで大腸癌に対するモノクローナル抗体Aー7とネオカルチノスタチン(NCS)、マイトマイシン(MMC)、アドリアマイシン(ADM)の結合体A7ーNCS、A7ーMMC、A7ーADMを開発し、基礎的に検討してこれが癌のミサイル療法として有効性が高いことを明らかした。そして、A7ーNCSを大腸癌、肝転移、肺転移、膵癌など本年は70例に応用した。これはミサイル療法を行った中では、世界的にも最も多い例と思われる。この研究で、ミサイル療法は今後大いに発展の可能性があること、今後解決すべき問題として、HAMA、更に強力な薬剤との複合体の作製、投与法、投与量など多くの点が明らかとなった。
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