研究課題/領域番号 |
01015103
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
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研究分担者 |
福原 昇 東海大学, 医学部, 助手 (70218949)
玉井 好史 東海大学, 医学部, 助手 (90207225)
大泉 幸雄 東海大学, 医学部, 講師 (30024813)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 放射線増感剤 / 低酸素圧細胞 / EMT6腫瘍細胞 / SCCVII腫瘍細胞 / ニトロイミダゾール化合物 / ミソニダゾール(Misonidazole) / エタニダゾール(Etanidazole) / RPー170 |
研究概要 |
アメリカ、イギリスで開発され現在臨床第2、第2相試験が実施中であるEtanidazolやPimonidazoleに勝る放射線増感剤の開発研究が進められている。我々は核酸誘導体の増感剤への導入を検討してきたが昨年度までに2ーニトロイミダゾール核酸誘導体RPー170がEtanidazole,Pimonidazoleに匹敵する可能性を示唆する予備実験結果を得ている。さらに1986ー1988年度の文部省がん特I母里班で増感剤のスクリーニングシステムがほぼ確立されている。そこで本年度はこのスクリーニングシステムに沿ってRPー170の増感剤としての可能性について増感活性を中心に検討した。1.EMT6細胞のsingle cellsを用いたin vitro assayでは、RPー170はEtanidazole,Misonidazoleと同様、1mM濃度で増感率1.7を示した。2.Balb/cマウスに移植したEMT6腫瘍を用いたin vivoーin vitro assayでは、RPー170(i.p.)は、Etanidazole(i.v.)、Misonidazole(i.p.)と同様、200mg/kg投与で増感率約1.5を示した。3.C3H/HeNマウスに移植したSCCVII腫瘍を用いた。Tumor growth delay time assayでは、RPー170(i.v.)はEtanidazole(i.v.)と同様100mg/kg投与で増感率1.46を示した。4.同じくSCCV腫瘍を用いたTCD_<50> assayでは、RPー170(p.o)は200mg/kg投与で増感率1.64を示した。以上の結果よりRPー170は今回のスクリーニングの全過程においてEtanidazole、Misonidazoleに匹敵する増感活性を有することが判明した。さらに投与方法においてi.v.,i.p.投与では3増感剤共同程度の増感率を示したが、p.o.投与ではEtanidazoleは消化管からの吸収が悪く、その増感効果は、i.v.投与と比べ著しく減少した。しかしRPー170はMisonidazole同様p.o.投与でも吸収されp.o.投与による増感率の減少は少なかった。今後は投与法においてEtanidazoleより優位に立つことが判明したRPー170の至適投与法を中心に研究を展開したい。
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