研究課題/領域番号 |
01015108
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
関口 清俊 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (50187845)
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研究分担者 |
広橋 説雄 国立がんセンター研究所, 病理部, 室長 (70129625)
小山 文隆 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (40194641)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1989年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 細胞外基質 / フィブロネクチン / RNAスプライシング / 癌胎児性変化 / 肝細胞癌 / 肺癌 / 腎癌 |
研究概要 |
1.ヒト肝細胞癌におけるフィブロネクチンmRNA前駆体の3可変領域(EDーA、EDーB、IIICS)でのalternative splicingのパターンをヌクレアーゼプロテクション法により検討した。その結果、EDーA領域だけでなく、EDーB、IIICS領域でのalternative splicingも癌胎児性の制御をうけていることが判明した。特に、EDーB領域の場合、EDーB^+ mRNAは正常肝、非癌肝(肝硬変、慢性肝炎)では発現しておらず、胎児肝と悪性度の高い肝細胞癌でのみ、高い発現が認められた。悪性度の高い肝細胞癌の多くは、EDーA^+ mRNA、EDーB^+ mRNAのどちらも発現が増加していたが、中にはEDーA^+ mRNAだけ、あるいはED-B^+ mRNAだけが増加している症例があり、このようなED領域でのalternative splicingのパターンの違いが予後とどのように関係しているかは、今後の検討課題である。 2.フィブロネクチンmRNA前駆体のalternative splcingの脱制御が、肝細胞癌以外の癌でも起こっているかどうかを、肺癌と腎癌について検討した。肺癌の場合、EDーA^+ mRNAの発現率の有意な増加は観察されなかったが、EDーB^+ mRNAの発現は、組織型を問わず、調べたすべての症例で増加していた。一方、腎癌の場合は、EDーA^+ mRNA、EDーB^+ mRNAのどちらの発現も非癌組織と有意な差が認められなかった。このように、フィブロネクチンmRNA前駆体のalternative splicingは、組織特異的、かつ、部位特異的な癌性修飾をうけることが明かとなった。 3.EDーBペプチドを特異的に認識する単クローン抗体を作成することに成功した。この抗体を用いることにより、種々の癌組織におけるEDーB^+ mRNAの発現を免疫組織化学的に検索することが可能となった。
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