• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

チトクロームPー450の遺伝子多型とヒト発癌との関連性についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 01015122
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関埼玉県立がんセンター

研究代表者

川尻 要  埼玉県立がんセンター, 研究所生化学部, 主任研究員 (50142112)

研究分担者 中地 敬  埼玉県立がんセンター, 研究所疫学部, 主任研究員 (00142117)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワードベンズピレン / 肺癌 / 喫煙 / Pー450IA1 / RFLP / コホート解析
研究概要

本研究の目的は化学発癌剤の代謝的活性化に関与している分子種のP450遺伝子多型と発癌との関連を解析することによって発癌への遺伝的高危険度群を同定することにある。本年度は肺癌誘発物質であるベンズピレンを代謝するP450IA1遺伝子の多型と肺癌発生との関連性を検討した。制限酵素のMspIの断片で遺伝子多型があることがRFLPで明らかになった。この多型は遺伝子の3'側に存在し、2種類のhomozygote(A、C型)と1種類のheterozygote(B型)に分類できた。健常者コホートの1500人よりDNAを単離しこれら3型の出現頻度を求めたところ、124名中、A型は60名、B型は50名、C型は14名であった。一方、80名の肺癌患者においてはそれぞれ29名、31名、20名であった。健常者及び肺癌患者の集団から求めた遺伝子頻度、並びに3型の分布パターンは統計的に有意な差が認められた。肺癌への相対リスクをA型を1.0として求めたところB型は1.4;C型は3.1(p〓0.01)で明らかにC型は遺伝的に危険が高いことが示された。肺癌をさらにcell typesに分類して検討したところ、喫煙と最も関係がある扁平上皮癌においては30名中、A型は10名、B型は11名、C型は9名であり、相対リスクはC型においては4.6倍(p<0.01)であった。
一方、ベンズピレンが発癌因子とは考えにくい胃癌患者(104名)、乳癌患者(30名)において検討したところ、遺伝子型の分布パターンは健常者集団と同一であった。以上の結果より、ベンズピレンを代謝するP450IA1の遺伝子のMspIでみられるhomozygous rare alleleの遺伝子型(C型)は肺癌発生に対し遺伝的に高い危険性をもつことが統計学的に示された。今後、A型、C型の遺伝子を構造的、機能的に解析し、相互に比較することが必要である。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kawajiri,K.: "Identification of genetically high risk individuals to lung cancer by DNA polymorphisms of the cytochrome P450IA1 gene" FEBS Lett.(1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi