研究課題/領域番号 |
01015127
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
向井 清 国立がんセンター研究所, 病理部, 室長 (20190837)
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研究分担者 |
佐藤 雄一 国立がんセンター研究所, 病理部, 主任研究官 (30178793)
三輪 正直 筑波大学, 医学専門群, 教授 (20012750)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 組織固定法 / 免疫組織化学 / DNA解析 / ノーザンブロット法 / RNA |
研究概要 |
形態と、形質発現や遺伝子に関する情報を関連させるために当研究室ではアセトンによる新しい組織固定法(AMeX法)を開発した。これまでの検討で、形質(抗原)や、DNAの保存は新鮮凍結切片に匹敵することが判明していた。そこで、本年度ではこの方法で固定した組織からRNAを回収し、ノーザンブロット法やスロットブロット法で解析し、RNAの保存の状態を検討した。材料はマウスの肝臓を用いてアルブミン遺伝子のRNAの発現を検討した。その結果RNAの変性は、新鮮材料に比べるとやや進んでおり、通常のノーザンブロット法では、一定の分子量を有するRNAのバンドとしては捉えられず、スメアになってしまうことが多かったが、遺伝子発現の有無については、スロットブロット法で十分な情報が得られることが判明した。この様に、この方法では、形態、形質、核酸の保存を一つの組織で行なうことができ、形態との関連において、形質発現や遺伝子異常などの情報を得ることができ、がんの研究に非常に有用であることが示された。さらに、この方法の実際的応用として、この方法で固定した組織を使用して、各種腫瘍における組織適合抗原遺伝子や増殖関連因子の発現を蛋白、DNA、RNAレベルで検討して腫瘍の悪性度との関連を検討している。 実際的応用の一つとして、肺腺癌におけるトランスフェリンレセプターの免疫染色を行ない、このレセプターの発現が、腫瘍細胞の増殖能をよく反映しており、悪性度とも関連することを示した。このレセプターはホルマリン固定で、抗原性が失活するために、従来は新鮮凍結切片で検討されていたが、AMeX法を用いることにより、形態との関連を詳しく検討できた。
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