研究課題/領域番号 |
01015132
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
月田 承一郎 東京都臨床医学総合研究所, 超微形態, 研究員(室長) (50155347)
|
研究分担者 |
山梨 裕司 日本学術振興会, 特別研究員 (40202387)
細谷 浩史 東京都臨床医学総合研究所, 超微形態, 研究員 (90183102)
月田 早智子 東京都臨床医学総合研究所, 超微形態, 研究員 (00188517)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1989年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | Adherens Junction / 細胞接着 / 細胞骨格 / 細胞膜裏打ち構造 / 発がん / がん遺伝子 / リン酸化 / アクチン |
研究概要 |
〔研究成果〕 我々は細胞間接着装置の一つであるAdherens Junction(以下AJ)の単離に初めて成功し、その分子構築の解析を始めた。その過程でAJの細胞膜裏打ち構造の中からアクチン線維のキャッピングタンパク質であるredixin(82kD)と分子量400kDの高分子量タンパク質tenuinを見いだした。さらに、AJの膜内在性タンパク質の解析も進み、接着分子であるカドヘリンの他に、いくつかの重要な分子があることを見いだしつつある。 このように構成成分の解析がかなり進んできたので、AJにおける情報伝達機構を探る試みを開始した。その一つとしてAJにおけるチロシン燐酸化の分析を進めた。その結果AJにプロトオンコジーンの1yn、yesの産物(チロシンキナーゼ)が極度に濃縮されているという興味深い結果を得た。これらのキナーゼの特異的な標的も単離AJの中にあると考え、現在研究を進めている。 〔考察、反省、今後の展望〕 AJは細胞間接着を司るだけでなく、細胞接着の情報を細胞内へ伝達する場でもある。我々のAJの単離法の開発により、このような局所的に分化した細胞膜での情報伝達機構を解析する道が開けたと考えている。 実際に本年度の研究によりsrcファミリーのうちの特殊なチロシンキナーゼがAJに濃縮していることが分かった。これらのターゲットは何かということを単離AJを用いて分析していけば、細胞接着の情報が細胞内に伝達される分子機構が明らかになるのではないかと考えている。 このような研究を通じて、細胞のがん化の分子機構だけでなく、がん転移機構の理解も深まるものと期待される。
|