研究課題/領域番号 |
01015135
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
稲垣 昌樹 愛知県がんセンター研究所, 放射線部, 研究員 (30183007)
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研究分担者 |
中州 章 愛知県がんセンター研究所, 放射線部, 研究員 (50198107)
高原 英成 茨城大学, 農学部, 助教授 (30122063)
安藤 祥司 愛知県がんセンター研究所, 共通実験室, 研究員 (20193104)
田部 一史 愛知県がんセンター研究所, 共通実験室, 室長 (30073133)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | がん細胞骨格異常 / 蛋白質リン酸化 / 蛋白質脱イミノ化 / 中間径フィラメント / 重合・脱重合 / ヘッドドメイン |
研究概要 |
昨年までの研究によってリン酸化が中間径フィラメントの脱重合を誘導することを明らかにした。本年度はさらに中間径フィラメントの脱重合を引き起こす蛋白質リン酸化酵素(Aキナーゼ・Cキナーゼ)について、中間径フィラメント構成蛋白質のリン酸化部位の同定を行った。構成蛋白質は構造上3つのドメインよりなるが、リン酸化部位はいずれの場合もヘッドドメインに局在していた。さらに詳細な解析によってどのセリン残基がリン酸化されるかについても明らかにした。 もう1つの研究計画である中間径フィラメント重合・脱重合の脱イミノ化反応による制御機構についても以下の点を明らかにすることができた。1)蛋白質脱イミノ酵素は中間径フィラメント構成蛋白質のアルギニン残基をシトルリン残基に変換するとともにフィラメントの脱重合を引き起こした。2)この反応はmuMオーダーのカルシウムイオン存在下で生じ、カルシウムイオン非存在下では全く生じない。3)脱イミノ化されるアルギニン残基は中間径フィラメント構成蛋白質のヘッドドメインに特異的に存在していた。 このように中間径フィラメント機能を修飾するまったく異質の2つの反応(リン酸化・脱イミノ化)がともに中間径フィラメント蛋白質のヘッドドメインに生じているという知見は以下のことを推察させる。1)フィラメントの構築維持にヘッドドメインがかなり重要な役割を果たしていること。2)どちらの修飾もマイナス荷電を付加する反応なので、ヘッドドメインの塩基性の減弱がフィラメントの脱重合を引き起こしている可能性を考えさせる。
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