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中東諸語文献のデ-タベ-ス化作業に伴う現地調査

研究課題

研究課題/領域番号 01041008
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関弘前大学

研究代表者

北川 誠一  弘前大学, 人文学部, 教授 (50001813)

研究分担者 小野 浩  京都大学, 文学部, 助手 (40204250)
西尾 哲夫  東京外国語大学, アジア=アフリカ言語文化研究所, 助手
竹田 新  大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50116141)
岡崎 正孝  大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90030163)
永田 雄三  東京外国語大学, アジア=アフリカ言語文化研究所, 教授 (20014508)
NAGATA Yuzo  Professor Tokyo University of Foreign Languages, Institute for the Languages and
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
キーワード中東諸語テキスト・デ-タベ-ス / 文献デ-タベ-ス / ワクフ文書 / アラブ地理叢書 / 都市街区の復元 / ガナ-ト
研究概要

研究代表者北川および5名の研究分担者は、トルコ共和国、イラン・イスラム共和国、シリア・アラブ共和国、イスラエル共和国、アラブ・エジプト共和国の大学と図書館・古文書館を訪問し、関係者と面談して、中東諸語(アラビア語、トルコ語、ペルシャ語)文献デ-タベ-スおよびテキスト・デ-タベ-スの作成機関、内容、作成責任者、共同研究の可能性、文献デ-タベ-ス最適テキストの調査を行った。今回の調査対象5か国の内、人文学研究にコンピュ-タ-を導入し、デ-タベ-ス機能およびその他の機能を用いた研究が進んでいるのは、トルコとイスラエルであった。他の三か国においては研究者個人レベルでのコンピュ-タ利用率は低く、公的機関での利用も一部で行なわれているだけであった。
トルコにおいては、当初調査を計画していた、イスタンブル工科大学、ボガズイチ大学、アンカラ大学、中東工科大学、スレイマニエ図書館、バシュバカンルク国立公文書館に加えて、イスタンブル大学、エ-ゲ大学、マルマラ大学、イスラム文化・歴史・美術研究所等を訪問し、文献目録のデ-タベ-ス化およびテキスト・デ-タベ-ス化の実状を調査した。スレイマニエ図書館では所蔵写本カ-ドをデ-タベ-ス化作業中、バシュバカンルク国立公文書館では所蔵古文書カ-ドのデ-タベ-ス化作業中、イスラム文化・歴史・美術研究所でも所蔵資料カ-ドのデ-タベ-ス化作業中、マルマラ大学でも旧宮庭会議録のテキスト・デ-タベ-ス化作業終了。個人の研究としても、テキスト・デ-タベ-スを作成、利用する研究者も見られた。なお、エ-ゲ大学バイカラ教授、アンカラ大学エルゲンチ教授とは寄進文書デ-タベ-スによる都市街区復元の共同研究を行なうことに決定した。
イラン、シリア両国はともに、トルコ、イスラエルには及ばないもののパ-ソナル・コンピュ-タの普及は著しく、民間事業所では、設備を備えるものが多い。しかし、人文系研究者のコンピュ-タ利用は進んでおらず、公的機関でも文献目録のデ-タベ-ス化はまだおこなわれていない。特にイランにおいては、この10年間大学が機能しておらず、新しい試みは一切なされなかった。イランでは、テヘラン大学図書館前館長アフシャ-ル氏と面談して、将来デ-タベ-ス化が必要であると思われる土地寄進文書の調査を行ない、またマフダヴィ-個人図書館で所蔵経済文書を調査し、カ-シャ-ンおよびヤズド地方で関連する地域を実地に踏査することに止まった。また、イラン全土のガナ-ト(地下灌漑用水路)のデ-タベ-ス化共同研究の予備的協議を行った。シリアではダマスカス大学アブドッサラ-ム教授、アブドルラフィ-ク教授と面談し、日本で作業中の「中東諸語テキスト・デ-タベ-ス」の概要を説明した。
エジプトの人文・社会学分野におけるデ-タベ-ス利用の研究は、途についたばかりであり、研究者が相互に連絡無く個人的におこなっている。カイロ大学計算器センタ-では、現代アラブ語散文の入力が試みられており、カイロ・アメリカン大学でもアラブ語エジプト方言資射が入力されている。カイロ大学ではデ-タベ-スとして入力すべき地理書テキスト選定に関する助言を得た。
イスラエルでは、ヘブライ大学アルエ・レ-ヴィン教授、テルアビブ大学アレキサンダ-・ボルグ助教授の研究グル-プがおこなっているアラブ古詩のデ-タベ-ス化作業が本調査の目的に関わって特筆すべきである。これは、イスラム教勃興以前のアラブ語韻文の集大成であり、世界各地の様々な分野の研究者によって利用できるものであるが、イスラエルでは非ヒブル系文献学研究は予算面で厚遇されていないので、費用の理由で入力の展望が持てないようである。文部省科学研究費による国際的共同研究の計画を検討中である。
今回の調査で明かになったのは、文献デ-タベ-スは、トルコでは既に広範囲で利用されはじめているということである。この傾向は恐らく早急に広がるであろう。
テキスト・デ-タベ-スの作成はトルコ、イスラエル、エジプトで試みられている。現在わが国で作成作業中の中東諸語テキスト・デ-タベ-スも、関係分野の研究者には興味を持たれている。完成次第利用者に提供する方法を検討中である。
テキスト・デ-タベ-ス作成作業は今後は、国際的な共同事業として進められるべきであるが入力作業者確保の理由で、日本側の資金によって現地で入力するのが効率的である。またその成果は第三者を含め広く共同利用に供するベきであろう。

報告書

(1件)
  • 1989 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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