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熱帯モンス-ン地帯河川流域の水文特性と水管理ータイ国チヤオプラヤ川の事例研究

研究課題

研究課題/領域番号 01041012
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関筑波大学

研究代表者

椎貝 博美  筑波大学, 構造工学系, 教授 (20016322)

研究分担者 ボンウ゛ィソムチャイ スハ゜  アジア工科大学院, 教授
ティマコルン プリダ  アジア工科大学院, 研究開発センター長
ティンサンチャリ タワチ  アジア工科大学院, 教授
ミリンタングン プラサー  タイ王室灌漑局, 水文部長
ビブンセスト スビット  タイ国研究評議会, 次長
木下 武雄  国立防災科学技術研究所, 第一部長
吉野 文雄  建設省, 土木研究所, 水文部長
池淵 周一  京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
竹内 邦良  山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
虫明 功臣  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
村井 俊治  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10013179)
VONVISSESOMJAI Suphat  Professor, Asian Institute of Technology
TINGSANCHALLI Tawatchai  Professor, Asian Institute of Technology
MILINTANGUL Prasert  Director of Hydrology, Royal Irrigation Department
VIBULSESTH Suvit  Deputy Director, National Research Council of Thailand
THIMAKORN Prida  Director, Regional Research Development Center, AIT.
研究期間 (年度) 1989 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1990年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1989年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
キーワードチヤオプラヤ川 / メナム川 / モンス-ン地帯 / 水文学 / リモ-トセンシング / IHP
研究概要

歴史的にチャオプラヤ川タイ王国の発展と密接に関係してきた。このチャオプラヤ川を中心として、典型的なアジアモンス-ン地帯であるタイ王国内の水文、利文、それに最近問題になってきた治水状況を2年に渡って調査した。
チャオプラヤ川流域は、流域特性の変化に伴い、従来の自然氾濫方式から、治水方式に変化しつつある過程にある。そして、灌漑用水のみならず、電力として重要な意味を持つタイの水需要形態は、灌漑用の水を確保しつつ、非灌漑期にも水力発電のために一定量の水を放流することを考えると、かなり複雑な性質を持っている。これらの調査から、その大きな降水量にもかかわらず、タイ王国の水資源の量は、決して十分とは言えない状況にあることが分かった。しかし、一方ではこのような水資源の利用形態は、石油危機に強く、環境の保持に対しても強いという、優れた特質を備えている。
チャオプラヤ流域においては、従来洪水に強い浮き稲(FLOATING RICE)を栽培してきたことは良く知られている。浮き稲は洪水に強い利点はあるものの、収量が少ないため、農民の収入源としては問題があった。ところが、現在、チャオプラヤ川の両岸に洪水堤防が建設されつつあり、これとともに小規模の洪水頻度は減少しつつある。これに伴い、農家も収量の多い通常の稲を栽培するようになった。これは、チャオプラヤ川の洪水防御より必要ひなったことを意味する。さらに、堤防の進展に連れて、農地への工場の進出も盛んになり、洪水被害の軽減のためにはさらに洪水防御を進なくてはならなくなっている。この傾向は、チャオプラヤ中流部から下流部にかけては、首都圏の需要を満たすための果樹園の増加となって現われており、これはバンコク周辺の土地利用状況の変化をもたらし、流出特性の大きな変化の原因となっていることが分かった。
東北タイからメコン流域にかけては、依然として水資源が大幅に不足し、地下水使用量の増大に伴い、貯水池塩水化の問題が生じている。すなわち、表面灌漑のため、地表から浸透した水が地中の岩塩層に達し、地下水の大規模な塩水化を生じ、塩水が次第に貯水池に浸透するものである。この現象は10年ほど前から、日本の技術援助の専門家によって指摘されていたが、灌漑の普及によって顕在化したのである。
タイ南部(マレ-半島)においては、世界的な天然ゴム需要の増大に伴い、ゴム林の植かえが促進されたが、斜面保護が不適切であるため、集中豪雨による大規模な土石流が発生している。これは結局は水源林の荒廃を招き、水資源上から見ても、防災上から見ても、大きな問題である。
これら諸問題について、従来の水文デ-タの解析のほかに、リモ-トセンシングによる、解析、分析が大きな威力を発揮することが分かった。
タイにおいても、これら諸問題研究の重要性が認識され、そのため、リモ-トセンシングデ-タを中心とする各種デ-タの提供も予想以上に急速、かつ適切に行なわれた。さらに、タイの研究分担者等を日本に招き、利根川、淀川の水利用状況、河川情報センタ-による情報の提供状況の実情を紹介することにより、タイと日本の類似性についてもより深い理解が得られた。特にわが国で最初に行なった、河川情報センタ-による、河川・湖沼に関する情報の、実時間による提供はタイ研究者の大きな関心を呼び、現在2国間の技術協力に発展しつつあることは喜ばしい。
更に本協同研究がきっかけとなり、アジアの研究者間に河川水文学に間する関心が高まり、アジア水文学会結成の機運も生じた。
これと並行して、タイ、マレ-シアにおいてIHPに対応する国内委員会も発足し、これはユネスコにおいて日本のIHP活動のひとつとして評価された。
明年度より本研究を発展させた、タイ・マレ-シア領域の水文現象の学術調査が認められており、他の研究者の調査を総合すると、アジアの主たる国・地域については概略の調査がIHPの趣旨に沿って行なわれることになる。

報告書

(1件)
  • 1990 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 沖 大幹,虫明 功臣: "タイ・チャオプラヤ川の水文気候学的水収支," 水文・水資源学会1990年研究発表会要旨集,. 14-17 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 沖 大幹,虫明 功臣: "タイ・チャオプラヤ川流域における地表〜大気結合系の水収支," 1990年秋期大会講演予稿集,日本気象学会,. 105 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 沖 大幹,虫明 功臣,増田 耕一: "大気水蒸気収束量と流域水収支との対応〜チャオプラヤ川での事例解析," 水工学論文集,. 35. 679-682 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉野 文雄、吉谷 純一,山辺 満: "タイ国の降雨特性" 水文水資源学会1990年研究発表会. 120-123 (1990)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Murai,S: "Global change monitoring of biosphere using NOAA vegitation index and geoーinformation" The National Biological Congerence Including Asia and the Pacific Regions. (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Oki, Taikan and Katumi Musiake: "Hydro-meteorological water balance of Chaoo Phraya River" Abstract of Conference of Society of Hydrology and Water Resources. 14-17 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Oki, Taikan and Katumi Musiake: "Water balance with surface to air interaction of Chao Phraya River" Abstract of Autumn Conference of Meteorological Society. 105 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Oki, Taikan, Katumi Musiake and Koichi Masuda: "Convergence of atomospheric vapor and water balance, an example of Chao Phraya River" Journal of Water Science and Engineering. 35. 679-682 (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshino, Fumio, Jun-ichi Yoshitani and Mituru Yamanobe: "Rainfall characteristics of Thailand" Abstract of Conference of Society of Hydrology and Water Resources. 120-123 (1990)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Murai, Shunji: "Global change monitoring of biosphere using NOAA vegatation index and geo-information" The National Biological Conference including Asia and Pacific Regions. 196-200 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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