研究課題/領域番号 |
01041035
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
日野 舜也 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20014467)
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研究分担者 |
ELDRIDGE MOH カメルーン国立人文科学研究所, 北方センター, センター長
松田 素二 大阪市立大学, 文学部, 講師 (50173852)
小倉 充夫 上智大学, 外国語学部, 教授 (40055322)
赤阪 賢 富山大学, 人文学部, 教授 (60099231)
上田 將 新潟大学, 人文学部, 教授 (20096382)
富川 盛道 東京国際大学, 教養学部, 特任教授 (90014456)
松下 周二 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20014475)
MOHAMMADOU Eldridge Director, The North Research Center, National Institute of Human Sciences, Camer
MOHAMMADOU E カメルーン国立人文科学研究所, 北方センター長
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
1991年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1990年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1989年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | アフリカの都市化 / 国民社会の形成 / 地域形成 / 社会変化 / 地域共通文化 / 地域共通語 / 定期市、常設市 / 都市移住民 |
研究概要 |
この調査は、現代アフリカに進行している、もっとも大きな社会変化である都市化と地域形成の実態を、国民社会の形成、都市社会の構造、地域社会の形成と都市・村落関係の展開、地域共通文化の機能、地域共通語(リングア・フランカ)の機能などとの関連において、長期間の継続的比較調査をおこない、その収集された資料によって、動態的に解明しようとするものである。 長期調査計画の最終年度として、全研究担当者は、それぞれの担当地域において、調査資料の最終的収集にあたった。 研究代表者の日野舜也は、タンザニア内陸部のスワヒリ都市ウジジにおいて、1962年のタンザニア独立以来の国民社会形成のなかにおいて、この伝統都市がどのような変化をとげたか、すなわち、スワヒリ都市の社会・経済的変化の経緯を、住民の社会生活の変容、部族関係の変化、国民文化としてのスワヒリ文化によるスワヒリ化などの側面に焦点をしぼって、参与観察、ライフヒストリ-の聞き取りによって調査した。 研究分担者の松下周二は、ナイジェリア北部を中心にするハウサ都市文化集団の地域的構造、歴史的展開を、ハウサ方言の変化の分析をつうじておこなうための、資料収集をおこなっているが、今年度は、ハウサ中心部のナイジェリアとともに、ハウサ社会のフロンテイアであるチュニジアにおける調査をおこなった。 富川盛道は、タンザニア北部の植民地都市アル-シャを中心とする地域形成の過程を、とくに、周囲の牧畜社会の変容に焦点をしぼって調査資料の収集をおこなった。 上田將は、ケニアのスワヒリ交易都市マリアカ-ニにおいて、とくに、カンバ人が前植民地時代から沿岸部のスワヒリ商人とのあいだでつづけてきた長距離交易の歴史的展開、地域的構造の調査をおこなった。 赤坂賢は、西アフリカの前植民地的都市文化地域であるマンデインゴ文化圏であるマリ南部、コ-トジボア-ル北部において、定期市のネットワ-クの形成を、国民社会形成とのかかわりのなかで、把握するために、人の移動、ものの流通、イスラム化の展開などの調査資料の収集をおこなった。 小倉充夫は、ザンビアにおいて、植民地都市ルサカと、鉱山都市ルアンシャにおいて、労働者の地域移動の実態、とくに、労働移住民が、都市社会にいかにとりこまれていくのか、鉱業の衰退からくる国民社会全体の社会経済的変化によって都市農村関係がどう変化していくのかなどの問題の解明にあたった。同時に、今年度は、比較調査として、ジンバブウエ、マラウイにおける同様の視点での調査をおこなった。 松田素二は、ケニアの植民地都市ナイロビのマラゴリ人移住民の居住地域であるカンゲミ地区において、マラゴリ人社会について、地域における他の民族社会との社会関係、母村マラゴリとの社会関係を中心に調査をおこなった。とくに、かれらが、ナイロビで死んだ同胞の母村への死体移送のために組織した互助組織とその活動の実態をめぐって、かれらの信仰、世界観のレベルまで深化した調査がおこなわれた。同時にナイロビと同様の歴史をもつ植民地都市であるジンバブウエののハラレにおいて、比較調査をおこなった。 カメル-ンのエルドリッジ・モハンマドは、北部のカメル-ンのフルベ都市において、都市形成史、諸民族社会が展開してきた地域形成の問題についての、口頭伝承資料の収集にあたった。 本調査計画は、本年度をもって全計画を終了するが、アジアアフリカ言語文化研究所における、共同研究プロジェクト「アフリカにおける都市化の比較研究」は、なお数年間継続することになっており、各分担者が、収集された資料の整理、分析をおこなうとともに、その資料にもとずく、集中的討論、比較研究をおこなうことによって、それぞれの調査成果の一層の推敲につとめる。その研究成果は、AA研の英文ジャ-ナル"AFRICAN URBAN STUDIES“(VOL.1.,VOL.11.既刊)にひきつづき収録していくことになっており、また、近い将来まとまった和文報告書として公刊する予定である。
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