研究課題/領域番号 |
01041039
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河野 長 東京工業大学, 理学部, 教授 (20011596)
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研究分担者 |
GILLIAN M. T ヴィクトリア大学, 地球科学, 講師
巽 好幸 京都大学, 理学部, 助手 (40171722)
綱川 秀夫 東海大学, 開発技術研究所, 講師 (40163852)
田中 秀文 東京工業大学, 理学部, 助手 (80108191)
TURNER Gillian M. Lecturer of Victoria University of Wellington
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 地磁気永年変化 / タウポ火山帯 / マロア-タウポ地域 / イグニンブライト / K-Ar法 / Cー14法 / ブリュンヌ正磁極期 / 松山逆磁極期 |
研究概要 |
1.平成2年2月20日〜3月14日の調査により、南半球における地磁気永年変化の性質を研究するために大変適した年代決定のされた多くの火山岩試料を採集することができた。ニュ-ジ-ランド側からは研究分担者であるヴィクトリア大のG.M.Turnerが参加した他に、岩石試料採集補助として同大学の大学院生1名、地質層序の案内および試料採集補助としてニュ-ジ-ランド地質調査所の地質学者のべ3名の野外調査での協力を得た。研究調査を行なった地域はタウポ火山帯のマロア-タウポ地域とオカタイナ地域、およびオ-クランド・ナツツ-ラ・アレクサンドラの玄武岩フィ-ルドである。携行したエンジン・ドリルにより73地点で合計580本の古地磁気測定用岩石コアを方位を付けて採集した。試料の1部はヴィクトリア大にて測定・保存することとなった。ヴィクトリア大における全員による研究打合わせの後、巽はダニ-デンのオタゴ大にてタウポ火山帯の成因に関して有意義な情報交換を行なった。河野、他はオ-ストラリア国立大学にて南半球の地磁気永年変化について意見や情報交換を行なった。 2.マロア-タウポ地域は過去200万年間、流紋岩を中心とした火山活動が続き、イグニンブライトが多数噴出した。ニュ-ジ-ランド地質調査所のB.F.Houghtonはこれらの火山岩に対してK-Ar法による年代決定を最近終了し、本研究ではこの年代決定のなされた主に溶結したイグニンブライトを採集した。年代値から推定すると採集した51サイトのうち3分の2がブリュンヌ正磁極期で残りが松山逆磁極期であるので、地磁気の性質が正磁極、逆磁極でどの程度異なるかを統計的に調べるのに適している。 3.オ-クランド南方のナツツ-ラ・アレクサンドラ玄武岩フィ-ルドでは150万年前から250万年前にかけて玄武岩の火山活動が続いた。8サイトで玄武岩を採集したがこれらはすべて松山逆磁極期と期待される。マロア-タウポ地域は150万年前より古い時代の岩石は少なく、松山期前半のデ-タを補うことができる。また全く性質の異なる玄武岩という点でより独立なデ-タとなり得る。 4.過去3万年間に的を絞って、オカタイナ地域の流紋岩溶岩を13サイト、オ-クランド玄武岩フィ-ルドの玄武岩を1サイト採集した。前者はニュ-ジ-ランド地質調査所のI.NairnによりCー14法により年代決定されており、南半球における5kaから22kaまでの強度も含めた地磁気永年変化曲線が得られることが期待される。後者の玄武岩は9000年前に噴出したことがCー14法により明らかにされており、日本やフランスで発見されている9千年前の地磁気強度極大が南半球でも観測されるかどうかの重要な結果が期待される。 5.本研究は単年度であるが、古地磁気測定やデ-タ解析は東工大、東海大、ヴィクトリア大にて継続し、来年度には講座経費等により研究報告書を作成し、ニュ-ジ-ランドおよび日本の関係機関へ送付する予定である。
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