研究課題/領域番号 |
01041046
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米山 俊直 京都大学, 教養部, 教授 (70026813)
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研究分担者 |
KYULULE V.L. タンザニア, ソコイネ大学, 助教授
MRANBITI M.E タンザニア, ソコイネ大学, 教授
MERNISSI F. モロック, ラバト大学, 教授
MBAYA M. ザイール, キサンガニ大学, 教授
杉村 和彦 日本学術振興会, 特別研究員
池上 甲一 京都大学, 農学部, 講師 (90176082)
末原 達郎 富山大学, 人文学部, 助教授 (00179102)
梶 茂樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10134751)
嶋田 義仁 静岡大学, 人文学部, 助教授 (20170954)
宮治 美江子 東京国際大学, 教養学部, 教授 (90190785)
祖田 修 京都大学, 農学部, 教授 (40081111)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1991年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1990年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1989年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 都市化 / イスラム化 / 人口移動 / 伝統的農法 / 生活史 / 女性労働 / 近郊農村 / 市場 / 都鄙交流 / 政情不安 / フェズ / モロゴロ / ジェンネ / ブカブ / キサンガニ |
研究概要 |
本調査は昭和64(1989)年度以来、3年継続してアフリカ大陸におけるタンザニア、ザィ-ル、マリ、モロッコの4国、各2都市、計8都市を中心とする研究を行った。参加者は途中で一部に変化し、最終年度の平成3(1991)年度にはザイ-ルが政情不安で調査が不可能になる事態もあったけれども、幸いなことに、所期の目的をほぼ達成することができ、参加者の真摯な研究活動と、現地における共同研究者3氏をはじめ、多くの調査地の人々たち、現地の日本大使館、海外協力事業団、商社などの協力の賜物としてまず謝意を表したい。 本調査は、昭和63年から始まっ重点領域研究「比較の手法によるイスラ-ムの都市性に関する研究」(代表者板垣雄三)の一環としての「現代都市とイスラ-ム」(代表者米山俊直)と連動して計画された。 アフリカ全域に及んでいるイスラ-ムの影響は、その商業性、都市性と深くかかわっている。他方今日のアフリカ諸国では、向都離村の人口移動が顕著で、都市への人口集中に伴う深刻な問題と、非都市的な農耕・牧畜・狩猟・採集社会の変化を促している。本研究はその出発点に、アフリカ社会をイスラ-ム/非イスラ-ム・都市社会/非都市(農牧狩採)社会という2つの比較軸を設定して、対象として選択した各地で情報を収集し、それを比較することによって、現在進行しつつある2つの重要な現象、すなわちイスラ-ム化と都市化というトレンドの実態を比較検討しようとした。 (1)タンザニア班(祖田・池上・杉村)は、モロゴロとモシの両都市を中心にして調査。モロゴロではソコイネ農科大学のキュルレ助教授を研究協力者として、周辺地域の農村における農法の急速な変化を追いつつ、首都ダレスサラ-ムでの資料収集をおこない、更に祖田はドイツにおいてアフリカ関係の資料を収集してきた。池上はモシを中心にして、日本の海外協力事業団によって推進されたキリマンジャロ計画(水田稲作の技術導入と圃場造成)の成果についても検討を進めながら、現地の伝統的農法と近代的農法の推移を調査。また杉村は、ザィ-ルの政情不安のために他の日本人と共に脱出を余儀なくされ、タンザニアに移動してモシ、モロゴロの他にムベア、イリンガなども調査して、その本来の調査地であるザィ-ルのキサンガニ周辺との比較資料を得た。 (2)ザィ-ル班(末原・杉村)は、ブカブとキサンガニの両都市を中心に調査がおこなわれた。まず末原によるキヴ州の首都ブカブにおけるバシ、バハブ、バテンボ、バレガ、バニャルワンダ、バフンデ等の諸民族集団の都市形成と、その後の人口集中を中心にして調査をおこない、特にすでに資料の蓄積のあるバテンボ、バシについて精密な実態調査をおこなった。また杉村は初年度約5カ月間、第2年度約6カ月間、キサンガニ大学のバヤ教授を現地協力者としてその周辺地域のバクムを中心に調査。クム社会の詳細な研究と共に大都市であるキサンガニの近郊と遠隔地の農村の比較をおこなった。第3年度は9月入国して間もなく、前述のように現地調査が困難になったが、第3年度は補足調査の予定であったので、大きい問題にはならなかった。なお、ザィ-ル班には、第2年度にカララ・カムワニャ(京大大学院博士課程留学生・ザイ-ル人)も一時帰国して調査に協力、本人の学位論文の資料も収集して再来日している。 (3)マリ班(嶋田・梶)嶋田は初年度、第2年度にジェンネを中心に調査、梶は最終年度だけ参加したてバマコのどを調査したが、嶋田は第3年度は別の調査班(代表江口一久)でやはりジェンネを訪れているし、梶は長期間ザイ-ルにおける調査経験を持っているので短期間ながら十分に成果を上げることができた。 (4)モロック班(米山・宮治)米山は初年度に、宮治は最終年度に短時日ながら対象4国を回り比較の資料を得た。モロッコでは、フェスとラバトの両市とその周辺を対象としたが、米山は主としてフェスの市民の生活史を収集することによってその都市としての動態を探り、宮治は女性労働を中心に調査をおこなった。
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