研究課題/領域番号 |
01041049
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小暮 智一 京都大学, 理学部, 教授 (50025318)
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研究分担者 |
田村 眞一 東北大学, 理学部, 助手 (60004371)
山崎 篤磨 東京大学, 教養学部, 助手 (90012434)
磯部 しゅう三 国立天文台, 助教授 (20012867)
平田 龍幸 京都大学, 理学部, 助手 (60021797)
小倉 勝男 国学院大学, 文学部, 助教授 (30102099)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 恒星外周圏 / 高温度星 / 低温度星 / 連星 / 前主系列星 / 星間ダスト / 分光観測 / 赤外線観測 |
研究概要 |
本研究は昭和62,63年の2年度に渡って実施された国際学術研究[課題:恒星外周圏の構造に関する研究:課題番号62041058,63041073]の総括として実施された。本研究はハワイとオ-ストラリアの天文台で得られた観測資料を基礎に、進化段階の異なる恒星外周圏の構造について総合的知見を得ることを目的とするものである。本年度は各分担者の資料解析を個別的にすすめ、その成果を総合し、検討するために、平成2年1月に京都大学において恒星物理学研究会を開催した。また、デ-タ解析に当っては国内はもとより、国際間の共通のソフトウェアシステムの整備が望まれるので、本年度はハワイ大学天文学研究所において、前年度のデ-タ解析を兼ねて同研究所のSLIN/IRAFシステムと国内のシステムとを結合する準備作業を行った。 次に各分担課題ごとの成果の概要を述べる。 1.前主系列天体 分子雲から形成され、主系列星へと進化する途上にある星は活動的な外周圏を持っている。小暮、小倉、仲野はオリオン座で検出された輝線星について低分散分光観測を行い、それらが前主系列のTTan型星であることを見出した。また、オリオン座には多数のHH天体候補が検出されているが、小倉は多天体分光観測(オ-ストラリア)を実施し、HH天体の確認を行った。また、赤外線グル-プ(小倉,片〓)は赤外域分光観測(米国ハワイ)によって前主系列星周辺の中性水素雲の存在、およびHII領域におけるダストの存在を確認した。 2.高温度星 平田、門、洞口は高いS/N比をもつ高分散分光観測(オ-ストラリア、ハワイ)によって輝線B型星の外周圏構造の解析と、組成異常をもつBe星の短周期変動の検定を行った。 3.低温度星 辻は高分散赤外フ-リエ分光観測(米国アリゾナ)によって、赤色巨星の光球と外層大気構造の関係を解析した。田村は近赤外フ-リエ分光観測(米国ハワイ)による共生星の分光解析、および惑星状星雲のVLA観測(米国ニュ-メキシコ)による電離雲の微細構造の解析を行った。低温度星周辺のダスト雲について、中田、坂田は赤外分光(米国ハワイ)によって炭素質星間塵の分光特性の解析を行い、実験的合成による炭素質物質のスペクトルと観測スペクトルの比較により、老化した星の周辺における炭素質ダストの形成を考察した。 4.連星 磯部は実視連星及び分光連星についてスぺックル干渉観測(メキシコ)により、主、伴星の分離を試みた。解析の結果、多数の連星系の分離に成功し、スぺックル干渉法が天体の微細構造の研究に極めて有効であることを実証した。山崎は惑星状星雲の中心星である連星系のUUSgeについて分光観測(米国ハワイ)を実施し、視線速度曲線の解析から、連星系における惑星状星雲の形成に関する考察を試みた。また、岡崎は激変星の測光(米国ハワイ)および分光(オ-ストラリア)観測を行って、軌道周期の決定、軌道要素の解析を行った。 以上の研究成果のうち、海外における研究実施状況については海外学術研究実施状況報告書、成果の内容については恒星研究会集録にまとめられている。両者をこの報告書に付属させるので、それを参照されたい。
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