研究課題/領域番号 |
01041050
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 進 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (10025827)
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研究分担者 |
住 明正 東京大学, 理学部, 助教授 (10179294)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (20210560)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 講師 (30183982)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1989年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 赤道レ-ダ- / 現地調査 / インドネシア国 / スマトラ島 / 大型レ-ダ- / 電界強度測定 / 気象観測 |
研究概要 |
赤道地域における大気観測用大型レ-ダ-建設の意義は、第18回IUGG総会(1983、ハンブルグ)の勧告において示された通り、国際的に大いに認められている。京都大学超高層電波研究センタ-では、本勧告に基づきインドネシア国に赤道レ-ダ-を建設することを計画し、現在まで数回のインドネシア国現地調査を実施してきた。本国際学術研究は、赤道レ-ダ-を実現するための、最終的なフィジビリティスタディを実施すること、特にレ-ダ-システムを建設する土地の選定と、候補地の電界強度測定・気象観測並びに地形測量を行うことを目的とする。本研究では、インドネシア技術評価応用庁(BPP Teknologi)・インドネシア航空宇宙庁(LAPAN)・日本インドネシア科学技術フォ-ラム(JIF)の協力の下に、平成元年6月19日〜7月2日、7月25日〜8月1日、9月9日〜15日、9月27日〜10月17日に計4回のインドネシア調査旅行を実施して以下の成果を得た。 1)平成元年6月19日から7月2日にかけて、加藤・深尾・住・津田・山中・中村が第1次現地調査を実施した。ジャカルタにおける打ち合せの後、本現地調査に先だって6月13日〜16日にBPPT・LAPAN・JIFが合同で実施した予備調査結果を元に、6月22日〜26日にスマトラ島パダン・ブキティンギ周辺の14カ所の候補地について地形の概要の調査を行った。その結果、赤道レ-ダ-建設が可能と思われる候補地を数カ所発見した。その内ブキティンギ市の北西約19kmに位置するコトタバン地区の台地が最有力候補地とされた。また、パダン・ブキティンギ周辺の数カ所において電界強度測定及び乾期の現地気象観測を実施した。 2)第1次現地調査で明らかとなった建設最有力候補地について更に詳しく調べるために、津田・中村が7月25日〜8月1日にかけて再度現地調査を行った。本調査では最有力候補地の地形を詳しく調べるとともに、7月27日〜30日に連続65時間の電界強度測定を実施した。この結果、候補地の電波環境は雷に伴う空電ノイズが観測されるものの、それ以外は良好であることが明らかとなった。 3)9月9日〜15日に深尾がジャカルタへ赴き、上記2回の現地調査について、インドネシア側協力研究機関と共に調査結果の取りまとめと総合的検討を行った。この結果、最有力とされたコトタバン地区の候補地を赤道レ-ダ-建設の最終候補地とすることを決定した。 4)最終候補地の雨期の状況をチェックするために、9月27日〜10月17日にかけて深尾・津田・山中・山本が第2次現地調査を実施した。本調査にはこの他に廣田・福西・近藤・田中の博士方に参加して頂き、最終候補地が赤道レ-ダ-の利用及び観測面において適当か否かをチェックして頂いたが、おおむね好評であった。また、9月29日〜10月14日の約3週間に亘って山中・山本が現地の電界強度測定及び気象観測を実施した。その結果、本候補地は雨期にもかかわらず雨量が比較的少なく建設の困難は少ないこと、電波環境は空電ノイズを除いてはおおむね良好であることなどが確認された。現在、ブキティンギ市内のアガム県庁の好意により、同構内において雨量観測を継続して実施中である。 以上、4回のインドネシア現地調査旅行によって、赤道レ-ダ-建設が可能な最終候補地をスマトラ島ブキティンギ市北西のコトタバン地区に選定することができた。本調査の結果は赤道レ-ダ-建設計画全般と共に、総合的な報告書(「インドネシア地域における赤道レ-ダ-設立計画」)として出版され、日本学術会議地球電磁気学研究連絡委員会STP小委員会及びインドネシア政府に報告された。また、これまで実施してきた現地調査旅行については、住(1987、“天気34巻723頁")、山中(1988、“天気35巻687頁")の報告があるが、今回の現地調査旅行については山中・中村(1989、“天気36巻650頁")及び山中他(1990、“天気(印刷中)")に報告されている。
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