研究課題/領域番号 |
01041055
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阪本 寧男 京都大学, 農学部, 教授 (30026546)
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研究分担者 |
SEELHARAM A. 全インド雑穀改良計画, 研究部長
棚瀬 慈郎 京都大学, 文学部, 教務補佐員
谷 泰 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60027563)
松井 健 神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (50109063)
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
小林 央往 山口大学, 農学部, 助教授 (50026605)
木俣 美樹男 東京学芸大学, 野外教育実習施設, 助教授 (90014852)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 雑穀栽培 / 農牧複合 / インド亜大陸 / 雑穀の遺伝的変異 / 雑穀一雑草複合 / 家畜管理 / 雑穀調理法 |
研究概要 |
本調査は昭和60年度(1985年)昭和62年度(1987年)および平成元年度(1989年)の3カ年にわたりインドおよびパキスタンにおいて現地調査がおこなわれた、その主な研究成果の概要はつぎのようである。 1.インドのカルナタカ、タミ-ル・ナド、アンドラ・プラディシュ、マハラシュトラ、オリッカ、ビハ-ルおよびマディア・プラディシュの7州において雑穀の遺伝的変異とその分布の調査をおこない、アワ、キビ、インドビエ、シコクビエ、コド、サマイ、コルネ、コラティ、ソルガム、トウジンビエ、という10種の雑穀のきわめて多数の系統を収集し、各地域における各雑穀の呼称、栽培法、収穣法ならびに利用法について現地調査をおこなった。またパキスタンではカラコラム山脈山村においてアワおよびキビ計111系統を収集するとともに、その呼称、栽培法ならびに利用法について調査した。またこれらの収集した系統を圃場に栽培し、その特性などを調べ、保存系統として確立した。 この調査はインドではインド農業研究委員会に所属するニュ-デリ-の国立植物遺伝資源局およびバンガロ-ルの全インド雑穀改良計画の研究者と共同調査を行うことによって遂行され、収集品については切半してインド側と日本側において系統保存するとともに栽培して得られたデ-タ-の比較研究を行うことが進められている。またパキスタンにおいては農業研究センタ-植物遺伝資源研究室と共同で現地調査をおこない収集品については切半して詳しい特性調査をイスラマバ-ドと京都で行うことにしている。 2.インド亜大陸における雑穀一雑草複合について現地調査し、多くの随伴雑草を収集した。またこれらについても圃場に栽植してその特性を調査し、同時に栽培した雑穀のそれと比較することにより雑草複合の実態を明らかにした。とくにサマイ、コラティ、インドビエおよびコルネの4種の雑穀が、イネおよびコドの随伴雑草から二次的に栽培されたいわゆる二次作物起源であるということを示唆するデ-タを得ることができた。 3.インド亜大陸における雑穀栽培の農法(栽培技術と農具など)の詳細な聞き込み調査を、インドのカルナタカ州およびアンドラ・プラディシュ州、ならびにパキスタンのスワット州とシンド州でおこなった。そして耕地の土壌区分、主要栽培雑穀、耕起、〓種、施肥、混作、中耕、収穣・調製法、およびこれらの過程で用いる農具の詳細な調査が行なわれた。また雑穀の調理法については雑穀を含む16種の穀類に多様性に富む調理法があることがわかり、そのおのおのについて、その調理過程を農家において聞き込み調査をおこなった。 4.雑穀栽培の西端部に近いパキスタン西南部マクラ-ン州においてその地域の農耕の特質について聞き込み調査をおこなった。またパキスタンーインド国境にまたがる地域に居住する農牧民の雑穀農耕ー牧畜複合の実態についてパキスタンのシンド州、インドのグジャラ-トおよびラジャスタン2州について詳細におこなった。 5.インド亜大陸における雑穀栽培と家畜飼育の有機的結合と人間との関わりを調べるために、インド北部のカシミ-ル州とヒマチャル・プラディシュ州において、牧民のヒツジ管理(季節移動、ヒツジの群れ管理、ヒツジ所有者と羊伺いの関係、〓乳法)などを調査するとともに、雑穀栽培地域における食事体系の中での畜産物の役割についても現地調査をおこなった。 昭和60年、昭和62年および平成元年度の3回にわたって行なわれた現地調査で得られた資料を整理し、またこれをくわしく検討するためにインドの研究分担者を昭和62年度短期間招へいした。さらにこれらをふまえて昭和60年および昭和62年についての成果についてはおのおの英文の報告書を作成し平成2年度には最終的な和文の報告書を作成した。
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