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現代ヨ-ロッパの安全保障に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01041086
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関津田塾大学

研究代表者

百瀬 宏  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (00055295)

研究分担者 VAYRYNEN Rai  University of Helsinki, Prof.
GHEBALI Vict  Graduate Institute of Interhational Stud, Prof.
MENDL Wolf  Kings College, University of London, Prof.
GASTEYGER Cu  Graduate Institute of International Stud, Prof.
DRIFTE Rheim  Univ. of Newcastle, Prof.
植田 隆子  国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (10138620)
柴 宜弘  敬愛大学, 経済学部, 助教授 (50187390)
関場 誓子  日本国際問題研究所, 研究員
大島 美穂  筑波大学, 社会科学系, 講師 (20203771)
小久保 康之  武蔵野短期大学, 国際教養学部, 講師
小泉 直美  日本国際問題研究所, 研究員
伊東 孝之  北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (30002140)
服部 一成  東海大学, 政治経済学部, 講師 (60198760)
GHEBALI Victor=Yves  Graduate Institute of International Studies, Geneva, Professor
研究期間 (年度) 1989 – 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1989年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
キーワードCSCE(全欧安全保障協力会議) / EC(ヨ-ロッパ共同体) / NATO(北大西洋条約機構) / CFE(欧州通常戦力) / CSBM(信頼・醸成措置) / ドイツ統一 / 欧州新秩序 / 下部地域 / 欧州安全保障問題 / 中東欧諸国 / EFTA / 軍備管理・軍縮 / 北太西洋条約機構(NATO / 中立 / 信頼・安全醸成措置 / 欧州の安全保障 / 地域協力 / 東欧の変革
研究概要

1989年度から始まった本研究プロジェクトは、この間に期せずして起こった同年後半からのソ連・東欧諸国の変動によってヨ-ロッパで安全保障の新たな体制が模索されるに従って、新たな研究面での取り組みを要求されることになった。第一に、当初前提とした“INF"後という発想は既に“過去"の事柄となった。そのため、欧州の安全保障問題はCSCE(全欧安保協力会議)、NATO、EC、といった諸国のフォ-ラムや国際組織に即してまた検討する必要があることが判明した。第二に、これも研究計画発足後、東西ドイツ統一問題が急浮上し、当初から予定していた各国の安全保障問題を検討する上でも、ドイツをめぐる安全保障問題の研究は不可欠なことが判明し、ドイツ問題に関する研究体制を強化した。第三に、東側諸国における旧来の体制の崩壊は、東側諸国の急速な西側への接近をもたらし、他方西側諸国自体もまたその影響を受ける、と言うように欧州諸国の相互影響がしきりとなり、当初から全般的な性格の分担テ-マはもとより、国別の分担テ-マと言えども、他諸国の動向を見極めることなしには扱いきれないことが判明した。しかも第四に、こうした“東西"関係の密接化は、従来のイデオロギ-を中心とした関係からの転換と、経済問題を重要課題としたある意味での“南北"問題的様相の発生を意味していた。初年度は、こうした知見をもとに欧州安全保障の基礎概念の再検討を招聘者ヴァイリネンと共に行うと同時に、ドイツ問題の分析をドリフテと、また特にECやCSCEの中心国として欧州の重要な鍵を握るイギリスの安全保障についての検討をメンドルとの研究会の中で行った。
こうして、全般的に言えば、ヨ-ロッパの安全保障問題はソ連・東欧諸国の急激な政治変動、及び1990年度に同意を見たCFE(欧州通常戦力)とCSBM(信頼・醸成措置)に関する会議の進展が示すように、軍備管理・軍縮交渉の急速な進展によって大きな転換に直面した。そうした欧州の緊張緩和の中で、第五に、新たな欧州秩序の枠組みとしてCSCEが欧州国際政治の中央に躍りでることになった。これについては、新たに招聘者に加えたゲバリとCSCEのこれまでの経緯並びにパリ会議最終文書の検討や、CSCEの機能的、実態的分析を行った。とはいえ第六に、欧州の安全保障が旧ソ連に東中欧の地域粉争や核管理の未解決問題を抱え、未だ不透明な部分を孕んでいることは否定できない。こうした点で、欧州全般の安全保障の専門家であるガスタイガ-を招聘し、CSE交渉の成果と問題点を議論し、今後の欧州の安全保障の動向について検討を加えた。さらに第七に、欧州の安全保障新秩序の構築の中で、特にNATOとECの役割変化が今後の動向を把握する上で重要になって来たため、分担者の植田と小久保を中心にこの二つの国際機構の変化を重点的に分析した。他方、各国ないし地域別の問題は、フィンランド(百瀬)、ノルウェ-(大島)、フランス(服部)、バルカン(柴)、ドイツ(伊東)、ソ連(小泉)、アメリカ(関場)が前述の全体状況の変化が地域の安全保障に与える影響、逆に地域の変化が全体に与える意味を研究した。その結果第八に、近年の欧州の安全保障の変化は、歴史的タイムスパンの中に置いて考察することによって、その意味がより深く捉えられること、さらに近年の変化に特徴的なことにしては、欧州の中心諸国が自己を統合に向けて再編成しているだけではなく、周辺地域も各々そうした中心部の統合に対し相互補完的な形で地域協力の再編成または創製を行ないつつある点が明らかになった。
以上の研究成果は、研究代表者百瀬編集の以下の3冊の研究書の発刊を通じて世に問われることになった。1)『ヨ-ロッパ小国の国際政治』(東京大学出版会)2)『欧州安全保障協力会議、CSCE1975ー1990』(日本国際問題研究所ー近刊)3)『欧州の安全保障ー過去と現在』(東京大学出版会ー近刊)。

報告書

(3件)
  • 1991 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (23件)

  • [文献書誌] 服部 一成: "現代フランスの安全保障政策ー歴史的概観" 外交時報. 1267. 50-60 (1990)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 百瀬 宏: "脱「国民国家」の新たな挑戦」" 世界. 563. 61-72 (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊東 孝之: "「連帯」10年の軌跡" 社会主義の20世紀. 3. 48-123 (1990)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小泉 直美: "ゴルバチョフの「欧州共朝の家」構想" 外交時報. 1267. 17-31 (1990)

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  • [文献書誌] 大島 美穂: "欧州秩序再編における北欧地域協力" 外交時報. 1278. 46-66 (1991)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 柴 宜弘: "ユ-ゴスラヴィアの現在ー危機に立つ連邦制" 地域粉争と相互依存(東京外国語大学海外事情研究所). 1. (1991)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 百瀬 宏(編著): "ヨ-ロッパ小国の国際政治" 東京大学出版会, 229 (1990)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 百瀬 宏,植田隆子(編著): "欧州安全保障協力会議CSCE1975ー1992" 日本国際問題研究所, (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 柴 宜弘: "「ユ-ゴスラヴィアの現在ー危機にたつ連邦制」" 『地域粉争と相互依存(1)』(東京外国語大学海外事情研究所). (1991)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 小久保 康之: "「ECの中欧・東欧援政策」" 『EC統合と東欧政策』(財・行政管理研究センタ-編). (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 大島 美穂: "「欧州秩序再編における北欧地域協力」" 『外交時報』. 1278. 46-66 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏: "「脱『国民国家』の新全な挑戦」" 『世界』. 563. 61-72 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 植田 隆子: "「欧州新秩序の勃興と日本」" 『世界』. 563. 117-124 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏,植田 隆子(編): "『欧州安全保障協力会議・CSCE1975ー1990』" 日本国際問題研究所, (1992)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏,植田 隆子(編): "『欧州の安全保障ー過去と現在』" 東京大学出版会, (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 服部 一成: "現代フランスの安全保障政策ー歴史的概観" 外交時報. 1267. 50-60 (1990)

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      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏: "バルト三国自立問題にみる国際関係の変貌" 外交時報. 1267. 4-16 (1990)

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      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東 孝之: "「連帯」10年の軌跡" 社会主義の20世紀. 3. 48-123 (1990)

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      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 小泉 直美: "ゴルバチョフの「欧州共通の家」構想" 外交時報. 1267. 17-31 (1990)

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      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 大島 美穂: "北欧の非核兵器地帯協定政策" 外交時報. 1267. 32-49 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 柴 宜弘: "欧州安全保障協力会議とN+N協力" 研究論集(敬愛大学). 38号. 65-82 (1990)

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      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏(編): "ヨ-ロッパ小国の国際政治" 東京大学出版会, (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 百瀬 宏(編): "欧州安全保障協力会議CSCE1975ー1990ー東西欧州統合への道" 日本国際問題研究所, (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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