研究課題/領域番号 |
01041110
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
中牧 弘允 国立民族学博物館, 第1研究部, 助教授 (90113430)
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研究分担者 |
宮尾 進 サンパウロ人文科学研究所, 専任理事
イケダ アルベルト コレジオ, フリブルゴ校, 校長
フィリヨ アメリコ・ペレ サンハ゜ウロ大学, コミュニケーション芸術学部, 助教授
古谷 嘉章 九州大学, 教養部, 助教授 (50183934)
荒井 芳廣 神奈川工科大学, 一般科, 助教授 (50131008)
FILHO Americo Pellegrini Sao Paulo University
IKEDA Alberto T Colegio Furiburgo
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | ブラジル / 民衆文化 / トランス / 憑霊 / カ-ニバル / ウンバンダ / 祭 / 日本宗教 |
研究概要 |
本年度は平成元年度に実施した現地調査の資料整理の継続、研究会の開催、ならびに論文の執筆とその翻訳作業をおこなうことを課題とした。あわせて昭和62年度・63年度に実施した調査(「ブラジルの民衆文化に関する研究」)の成果報告、およびその翻訳についても、一連の作業にくわえて実施した。とくに、日本語論文のポルトガル語翻訳に関しては、ブラジルより研究分担者のアメリコ・ペレグリ-ニを招聘し、執筆者との入念な検討をおこなった。 中牧弘允はロンドニア州ポルトベ-リョを中心にインディオ・ブラジル系宗教、日系宗教、ならびに北東部系・南部系民衆文化の研究をおこない、とくにインディオ・ブラジル系宗教に関しては都会に伝播している実態をブラジリア、リオデジャネイロ、サンパウロなどで調査した。その成果にもとづき、まず日系宗教に関しては「日本宗教の現代的展開ーブラジルとアメリカの仏教を中心にー」(『現代と仏教』春秋社、所収予定)をまとめ、"Mutacoes Contemporaneas de Religioes Japonesas: Principalmente Budismo no Brasil e nos Estados Unidos"という論文として翻訳を完了した。インディオ・ブラジル系宗教に関しては、「ブラジル・アマゾンの幻覚宗教ーエンテミック宗教からエピデミック宗教へー」(中牧弘允編『中南米の宗教と社会(仮題)』平凡社、所収予定)を執筆中であり、これもポルトガル語に翻訳する予定である。 荒井芳廣はベルナンブ-コ州レシフェでマラカトゥを中心にカ-ニバル組織について研究し、アフロ・ブラジリアン宗教との関連をしらべた。それにもとづき、「レシフェのカルナヴァルとブラジル黒人フォ-クロアの形成」(中牧弘允編『中南米の宗教と社会(仮題)』平凡社、所収予定)を執筆し、"O Carnaval do Recife e a Formacao do Foloclore Negro no Brasil"というポルトガル語論文への翻訳を終了した。 古谷嘉章はマラニョン州コド-黒人系コミュニティ-でアフロ・ブラジリアン宗教を調査し、パラ州ベレンをはじめとするアマゾン地方への影響関係をあきらかにするとともに、現在ではマラニョン州内陸部のアフロ・ブラジリアン宗教も南部諸都市に発生したウンバンダの影響であることを確認した。その成果にもとづき「アマゾンの<ウンバンダ化>ーブラジルへの<統合>?ー」を九州大学教養部の研究紀要『社会科学論集』に執筆した。この論文は長文なので、原文を3分の2の縮小したものを"Umbandizacao na Amazonia: Integracao ao Brasil?"として、ポルトガル語への翻訳を完了した。 ブラジル側の研究分担者については以下のとおりである。アメリコ・ペレグリ-ニはサンパウロ州チエテの精霊降臨祭に関する論文を執筆中である。アルベルト・イケダはゴイアス州のフォ-リア・デ・レイス(東方三博士の祭)の調査にもとづき、"Folias de Reis,Sambas do Povo"(東方三博士の祭、民衆のサンバ)という論文を完了させた。フォ-リア・デ・レイスについてはペレグリ-ニも南東部の事例についてまとめる予定である。宮尾進は北部の日系コロニアの文化について執筆中である。 本研究の成果は、本年度すすめてきたように、ポルトガル語で単行本として出版することをめざしている。すでに上記のように、中牧・荒井・イケダの3論文はポルトガル語の完成原稿となっており、古谷の論文が現在翻訳のチェックが進行中であって、さらに中牧・ペレグリ-ニ・宮尾の論文がくわわる。出版元はブラジルの出版社と交渉中であるが、タイトルにはCultura Popular no Brasil: Resistencia,Inovacao e Criacao(ブラジル民衆文化ー持続と革新と創造とー)を予定している。
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