研究課題/領域番号 |
01044005
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
魚崎 浩平 北海道大学, 理学部, 教授 (20133697)
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研究分担者 |
ERIKSSON S. エチボリ大学, 理学部, 研究員
CARLSSON P. エチボリ大学, 理学部, 研究員
HOLMSTROM B. エチボリ大学, 理学部, 準教授
嶋津 克明 北海道大学, 理学部, 助教授 (30109417)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 半導体 / レ-ザ-スポット走査顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 / 光電気化学 / 光アノ-ド溶解 |
研究概要 |
1.レ-ザ-スポット走査装置の高速測定用ハ-ド、ソフトとデ-タ処理ソフトの開発 本装置については本研究開始前の共同研究により基本構造は完成しており、測定の高速化が最大の課題であった。初年度のスウェ-デンにおける研究により、デ-タ処理を32ビットパソコンで行なうためのソフトを完成した。また、制御用パソコンとデ-タ処理用パソコンを並列利用することにより測定/処理の効率化に成功した。 2.レ-ザ-スポット走査光電流/螢光同時測定装置の開発 光電流と螢光を同時に測定することにより空間電荷層の厚みや表面再結合速度に関する情報が得られることをこれまでの研究により明らかにしている。この測定をレ-ザ-スポット走査と組み合わせることによりこれらの特性の平面分布に関する情報を得ることが可能である。現有のレ-ザ-スポット走査光電流/反射光同時測定装置の集光プロ-ブの改良とフオトンカウンティングシステムの採用により標記装置を実現した。 3.レ-ザ-スポット走査顕微鏡の分解能に関する理論的研究 本法を半導体/溶液界面に適用した場合レ-ザ-スポット径(4μm)に比べて分解能が低く(〜数十μm)しかも半導体表面を白金で処理すると分解能が向上するという結果が見い出された。理論的解析により少数キャリアの拡散長や表面反応速度によって分解能が決定される事を明きらかにした。 4.レ-ザ-スポット 走査顕微鏡による表面に微細金属パタ-ンをもつ半導体電極に関する研究 半導体表面に貴金属の微細パタ-ンを施し、レ-ザ-スポット走査顕微鏡により測定を行なった。バイアスや対象とする反応に応じて分解能が変化した。これらの結果を上記の3での理論により解析した。つまりバイアスにより表面反応速度と半導体内部の拡散速度の比が変化し、また反応によって対応する反応速度が異なるためにこのような結果になったものである。本手法によって表面反応速度を定量化できる方法を確立した。 5.溶液中、in situ電極表面連続観察用STMシステムの開発 通常のSTM測定では試料と探針の間に流れるトンネル電流を一定にするように探針を上下させ、固体表面の凹凸像をえる。しかし、そのままでは試料の電位を規制することはできず、液体中での測定には問題がある。しかも、液体中ではトンネル電流よりはるかに大きな、電気化学反応にともなう電流(ファラデ-電流)が試料に流れ、STM測定が全く不可能となる場合も多い。本研究では大気中測定用STMシステムに自作のポテンショスタットをくみあわせ、また電気化学セル中に試料と探針の他に、参照電極(RE)と対極(CE)を設け、探針と試料(WE)の電位を独立に制御可能なシステムを構築した。なお電極の表面構造を連続的に観察、記録するためにSTMの出力信号をPCMデ-タレコ-ディングシステムを用いてビデオ信号に変換、ビデオテ-プに記録可能とした。また、探針も先端以外の部分をガラスや絶縁性の樹脂でコ-トし、溶液に触れる部分をできるだけ小さくし、探針に流れるファラデ-電流をおさえた。 6.走査型トンネル顕微鏡による半導体電極/溶液界面の電位分布と反応にともなう半導体電極表面構造変化の追跡 半導体表面をSTM観察する場合、半導体の空間電荷層のためにブラットバンド電位より逆バイアス側では探針が表面に衡突する。この現象を利用して、探針に流れる電流と探針の上下動を記録する事による半導体/溶液界面の電位分布決定法を確立し、GaAsおよびGaP電極に適用した。光照射下でのnーGaAsのアノ-ド溶解およびPーGaPのカソ-ド分解さらにnーGaAsおよびPーGaAs上への金属のカソ-ド析出反応に伴なう表面構造変化を追跡した。
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