研究課題/領域番号 |
01044031
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松野 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (40037172)
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研究分担者 |
B.J Hoskins レッディング大学, 気象学科, 教授
塩谷 雅人 京都大学, 理学部, 助手 (50192604)
林 祥介 東京大学, 理学部, 助手 (20180979)
瓜生 道也 九州大学, 理学部, 教授 (60037215)
廣田 勇 京都大学, 理学部, 教授 (70025485)
HOSKINS B.J. University of Reading, Professor
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | プラネタリ-波 / 成層圏大循環 / 成層圏突然昇温 / 南半球成層圏 / オゾン / 光化・力学モデル / 南極オゾンホ-ル / south polar ozone hole |
研究概要 |
成層圏プラネタリ-波の構造と変動に関する観測デ-タの解析、プラネタリ-波が物質循環に及ぼす効果のモデリングについてイギリス・レッディング大学を中心としたグル-プと研究結果の比較・検討を行った。 すなわち、廣田と塩谷は、1979ー1988年10年間の人工衛星デ-タをもとに、南半球成層圏中間圏のプラネタリ-波の挙動を系統的に調べ、南半球では北半球と異なる地球をとりまく波数が2の成分は常に東向きに移動していること、移動速度に年による変動があることを明らかにした。1988年の南半球の春は、それまでと大変違って南極オゾンホ-ルが著しく弱く、その直接の原因は8〜9月に南半球ではかつて見られない強さの成層圏突然昇温が起こったためと考えられていたが、この突然昇温の発生機構が、東向きに移動する波数2成分と停滞性のプラネタリ-波の干渉によって起こるものであることを詳細なプラネタリ-波の解析によって立証した。一方、瓜生らは、光化学過程と力学過程(大循環による輸送)を含むオゾンの2次元光化学・力学モデルを作り、季節ごとのオゾンの子午面分布を計算し、観測とかなりよく合う結果を得た。このモデルでは、プラネタリ-波による輸送過程を非等方渦拡散として表現した。 松野は、1989月7月にジュネ-ブ近郊で行われたWMOとUNEPによる1989年現在の成層圏オゾンに関する科学的知見のまとめの検討会にレヴュ-・パネルの一員として参加し、各国の研究機関で行われたオゾンの2次元モデルの結果の比較・検討を行った。その際、前記の研究を含め日本での研究成果にたって討議に参加するとともに各国の最新の研究状況の情報を得た。また、南極オゾンホ-ルの成因と年々変動の原因や、最近の全地球的オゾン減少傾向について各国研究者と意見を交換した、さらに、オゾン減少を防ぐためのフロン等規制措置の科学的根拠に関する討論の際に日本の研究者(巻出と富永)による四塩化炭素とメチルクロロホルムの濃度観測結果を発表し、それまでにあった誤差を正した。 林は、熱帯域における30ー60日周期振動に関して地球規模の赤道ケルビン波と対流活動の結び付きによるものであるとする研究成果にもとづき、各国の研究者と意見の交換を行った。
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