研究課題/領域番号 |
01044041
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 恒夫 東京大学, 工学部, 助教授 (40011027)
|
研究分担者 |
CLARK Tim エアランゲン大学, 有機化学研究所, 助教授
VON Schleyer エアランゲン大学, 有機化学研究所, 教授
大澤 映二 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001763)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | ワ-クステ-ション / ソフトウェア / 分子軌道法計算 / 分子力学 / UNIX / MOPAC / 分子計算 / ソフトウェア開発 |
研究概要 |
分子の構造、反応性および物性の「理解」と「予測」を目的とする計算化学は急速な発展を遂げつつあり、とにく超高速マイクロCPUの出現によって、一般の実験化学研究室の机上のワ-クステ-ションによってすら高速分子計算が可能になろうとしている。 本研究では、日ー独の化学者4人の国際共同研究によって、その超高速ワ-クステ-ションで走る分子計算用のソフトウエアの開発を行った。 ワ-クステ-ションとしては、ベクトル化機能を有する機種としてCONVEXを、またスカラー機としてUーStationを用い、機種依存性の少ないプログラムを書くように心がけた。 まず、汎用分子軌道法計算プログラムとしてMOPAC(Version 5.0)を取り上げ、これをUNIXのSystem V、および4.3BSD上で走るよう移植した。続いて、西独側が主になってAMPAC分子軌道計算プログラムのベクトル化をCONVEX上で行ってVAMPACを作成した。ベクトル化によって約100倍の高速性能を引き出すことができた。また、NMRの化学シフトを計算するプログラマIGLOをCONVEXに移植高速化し、GAUSSIAN 88の出力をそのまま入力とすることが出来るように改良した。 ワ-クステ-ションでのMOPACの出力を視覚化するためのプログラムMOLMOLを作成した。このプログラムはMOPACの出力ファイルを入力として、分子構造、分子軌道関数の絵をデイスプレイ上に表示するプログラムであり、ワ-クステ-ションに於ける分子軌道法計算をスム-ズに進めて行く上で重宝されている。 分子力学関係では、考え得る環構造を効率よく見いだして行くプログラムCONFLEXを作成した。新しい独自なアルゴリズムによるもので、高く評価されている。 分子性結晶のパッキングを予測するプログラムの開発を新たに試みたが、この方は途中で終わってしまった。方法として分子動力学を使う方法を平野が、分子力学を使う方法を大沢が開発しようとして、一部は重点領域研究「分子性結晶」の研究発表会で発表したが、継続研究の必要が望まれる。 以上の研究は、日本側から平野、大沢が西独へ出張し、まとめのため西独側のSchleyerが来日して遂行されたものであり、日ー独両者の協力により、短期間に予想外の成果を挙げることができた。 なお、作成したプログラムのうちMOPAC、MOLMOL、CONFLEXは、日本化学プログラム交換機構(JCPE)を通して一般に公開されている
|