研究分担者 |
BRAND G.F. Univ.of Sydney. School of Phys., Lecturer
BRENNAN M.H. Univ.of Sydney, School of Phys., Protessor
小川 勇 福井大学, 工学部, 助手 (90214014)
岩澤 宏 福井大学, 工学部, 教授 (20020167)
目片 守 福井大学, 工学部, 教授 (80025345)
立川 敏明 福井大学, 工学部, 助教授 (00020206)
OGAWA I. Fukui University, Faculty of Engineering
TATSUKAWA T. Fukui University, Faculty of Engineering
MEKATA M. Fukui University, Faculty of Engineering
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研究概要 |
1.サブ・ミリ波帯ジャイロトロンの開発研究 (1)サイクロトロン高調波動作によるジャイロトロンの高周波化 福井大学の8テスラ超伝導マグネットを用いて,サイクロトロン2次高調波における単独動作に成功し,最高周波数402GHz(波長0.75mm),出力1kWの発振に成功した。また,3次高調波での単独動作にも成功し,最高周波数354GHzを達成した。この成果をシドニ-大学のジャイロトロンに持ち込み,12テスラの強磁場の特長を生かして,2次高調波動作で最高周波数516GHzまで周波数可変のサブミリ波ジャイロトロンを実現した。出力は25mWで小出力ではあるが,連続動作するジャイロトロンとして世界最高の周波数を記録した。 (2)Whispering Gallery Mode の発振試験と伝送回路素子の開発 最近,ジャイロトロンの高出力化を達成するため,Whispering Gallery Mode を用いた装置の開発が行われている。しかるに,このモ-ドの伝送回路素子の開発は,ほとんど行われていない。この開発研究は,緊急に行われる必要があり,このための出力源としてこのモ-ドで発振するジャイロトロンの発振試験を行い,120GHz帯での動作に成功した。この出力を回路素子の開発のために用いる。 2.サブ・モリ波帯ジャイロトロンの応用 (1)プラズマの散乱計測への応用 短ミリ波帯からサブ・ミリ波帯のジャイロンは,従来プラズマの散乱計測に用いられていたシアン・レ-ザ-に比べて出力が圧倒的に大きいこと及び波長が可変であるという長所を有しており,プラズマ散乱計測の新しい光源として嘱望されている。 まず,ジャイロトメンをプラズマに散乱計測の光源として用いた場合の利点と問題点及び要求されるジャイロトロン出力のクオリティについて,検討を行った。この考察に基づいて,ジャイロトロンを光源とする散乱計測装置を製作し,京大理学部と共同研究としてWTー3トカマク・プラズマの低域混成波電流駆動時の波動伝播の計測に適用している。(用いているジャイロトロンは周波数120GHzのものである。) この成長に基ずき,福井大学・シドニ-大学間に相互に研究者を派遺して共同研究を行い,共同開発したサブ・ミリ波帯ジャイロトンを用いて,シドニ-大学のTORTUSトカマク・プラズマのアルフェン波加熱時に,励起された波動の散乱計測を行った。また,核融合科学研究所の主装置CHS(Compact Helical System)におけるプラズマ乱れの測定を,ジャイロトロンを光源とするプラズマ散乱計測によって行うことを検討し,要求されるジャイロトロンの出力およびプラズマへの結合方式についての目途を得た。現在,開発したサブ・ミリ波ジャイロトロンを核融合科学研究に持ち込み,CHS装置に装備して,実験の準備を完了した。 (2)準光学的回路素子の開発研究への応用 短ミリ波帯からサブ・ミリ波帯における回路素子(準光学的回路素子)の開発は,ジァイロトロン出力の伝送とプラズマへの有効な結合を行うために早急になされる必要がある。シドニ-大学との共同研究として,ジャイロトロンの円形導波管モ-ド出力を直線編光モ-ドに変換し,しかもプラズマの一点にの集中して入射するための準光学的アンテナの開発を行い,TORTUSトカマクに装着してプラズマ散乱計測装置を構成している。核融合科学研究所との共同研究にもこのアンテナを用いる。また,上記 Whispering Gallery Mode 出力を直線偏光モ-ドに変換するためのアンテナの開発を行なった。 (3)固体及び液体の物性の研究への応用 固体及び液体の物性の研究のために,ジャイロトロン出力を光源とするスペクトロスコピ-を用いることを堤案し,京大,神戸大,富山大,分子研及び三菱電機KKからの参加も得て,研究会(ECRAS研究会)を定期的に開催した。手始めに,2mm波帯でのESRの研究にジャイロトロン出力を用いることが堤案され福井大学でその研究が緒についている。
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