確率解析と場の量子論

• 研究課題/領域番号: 01044063
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 飛田 武幸 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022508)
• 研究分担者: KUO H.H. ルイジアナ州立大学, ビボス, 研究員 ; RO^^‥CKNER M エジンバラ大学, ビルフェルト大学, 併任教授 ; POTTHOFF Ju^ ルイジアナ州立大学, 教授 ; ALBEVERIO Se ルーア大学, 教授 ; STREIT Ludwi ビルフェルト大学, 教授 ; 渡辺 壽夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037677) ; 福島 正俊 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90015503) ; 楠岡 成雄 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00114463) ; 高橋 陽一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (20033889) ; 尾畑 伸明 名古屋大学, 理学部, 助手 (10169360) ; 佐藤 健一 名古屋大学, 教養部, 教授 (60015500) ; ROCKNER Michael Edinburgh Univ., Department of Mathematics, Professor
• 研究期間 (年度): 1989 – 1990
• 研究課題ステータス: 完了 (1990年度)
• 配分額: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円); 1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円); 1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
• キーワード: ホワイトノイズ解析 / 場の量子論 / 超汎関数 / ディリクレ形式 / ファインマン積分

研究概要

平成元年度と二年度にわたって、確率解析特にホワイトノイス解析と場の量子論への応用について、我が国の確率論研究者とドイツ連邦共和国の理論物理学の研究者とが協力して、学術調査並びに共同研究を行った。
研究の全体計画及び研究テ-マの選定は、ドイツ側研究者と相談の上、主として日本側で企画し、ドイツ側からは、ビ-レフェルトの境界領域研究所の機能を活用して、物理学からの問題提起を期待することとして出発した。研究の進展につれて、この役割分担を越えて、相互に数理物理学の新しい研究テ-マを提案しつつ、積極的な共同研究としての組識となった。このような本質的な協力の下に予期以上の成果をあげることができた。
以下各年次について共同研究の結果をまとめてみたい。
平成元年度
1.4月にポットホフの来日を機にこれまで続けていたホワイトノイズ解析のディリクレ形式及び量子場の構成についての研究をまとめて、アウベヴェリオ、レックナ-、及びシュトライトとを含めた5名の共同研究として論文にまとめることとした。これを2年間の研究の出発点とすることができた。
2.シュトライト、ポットホフを中心としたドイツの研究グル-プはかねて日本側が提唱していたホワイトノイズの超汎関数のクラスをとりあげ、その特徴づけに成功した。これは単なる数学的興味ではなく、場の理論のトピックであるP(φ)理論に新しい視点を与えたことで注目された。
3.平成2年1月、研究代表者と福島、尾畑はミンホ-大学に、シュトライト教授のグル-プを訪ね3月の研究集会の準備を行った
4.平成2年3月、ドイツからシュトライト他3名の研究分担者を名古屋大学に招き、1週間の研究集会“ホワイトノイズ解析と場の量子論"を開催した。日本側からは本研究の分担者ばかりでなく解析学や確率論の多数の若手研究者の参加を得て、研究報告というよりは、むしろ問題提起の会となった。
ホワイトノイズ超汎関数を用いた無限次元ディリクレ形式の構成無限次元ラプシアンの定義とその作用・ゆらぎを伴う生物学的な諸現象解析への応用、確率場の変分など各種の話題が提出され、参加者は今後の研究課題として、その発展性について活発な討論が行われた。特にシュトライトは1ケ月間滞在し、我が国の研究者との交流に努めた。
平成2年度
平成元年度の計画を続行するとともに新たな研究テ-マの提案を日独双方から行い、新たな発展を期待することとした。それは次の二つであった。
i)無限次元回転群の数学的理論をさらに発展させ、ホワイトノイズ解析を、回転群から生ずる無限次元調和解析として眺めてみること。
ii)ホワイトノイズ超汎関数を用いたファインマンの経路積分の理論の再構成。
前者については本年度の報告および、英文によるレポ-トに詳しく述べた。後者については、我々の方法で正当化されるポテンシャルのクラスを大いに拡げることができた。
上記の結果は平成2年8月上旬、名古屋における研究集会、さらに続いて、9月ビ-レフェルト大学境界領域研究所における国際研究集会“White noise analysis: New results and their impact on Quantum Physics"で報告された。 (この他、平成3年3月には名古屋大学において、今後の共同研究の発展のため、別な財源による同じメンバ-での研究集会を持つことにしている。

研究成果

• [文献書誌] HuiーHsiung Kuo: "Le^^´vy Laplacian of generalized functions on a nuclear space" Journal of Functional Analysis. 94. 74-92 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] T.Hida: "White Noise Analysisーan Overview" White Noise Analysis. 140-165 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] M.Fukushima: "Dirichlet forms,diffusion processes and spectral dimensions for nested fractals"
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] J.Potthoff: "Generalized RadonーNikodym derivatives and CameronーMartin theory" International Conference on Gaussian Random Fields 1990. World Scientific. (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] J.Potthoff: "White noise analysis and what it can do for Physics" International Conference on Gaussian Random Fields 1990. World Scientific. (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] T.Hida: "Infinite dimensional rotations and Laplacians in terms of white noise calculus" AMS Transaction.
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] J.Potthoff: "A Characterization of Hida distribution" BiBos, (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] J.Potthoff: "Invariant states on random and Quantum fields: φーbounds and white noise analysis" BiBos, (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Hui-Hsiung Kuo: "Levy Laplacian of generalized functions on a nuclear space" Journal of Functional Analysis. 94. 74-92 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] T. Hida: "White Noise Analysis - an Overview" White Noise Analysis. 140-165 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] M. Fukushima: "Dirichlet forms, diffusion processes and spectral dimensions for nested fractals"
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] J. Potthoff: "Generalized Radon-Nikodym derivatives and Cameron - Martin theory" International Conference on Gaussian Random Fields 1990. World Scientific. (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] J. Potthoff: "White noise analysis and what it can do for Physics" International Conference of Gaussian Random Fields 1990. World Scientific. (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] J. Potthoff: BiBos. A Characterization of Hida distribution., (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] J. Potthoff: BiBos. Invariant states on random and Quantum fields : psi - bounds and white noise analysis, (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より