研究課題/領域番号 |
01044069
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹村 恵二 (1990) 京都大学, 理学部, 助教授 (00201608)
堀江 正治 (1989) 京都大, 理, 教授
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研究分担者 |
COLHOUN Eric Dept. Geogr. Univ. New Castle, 教授
SPEDEN Ian New Zealand Geological Survey, 所長
HEUBERGER He Inst. Geogr. Univ. Salzburg, 教授
SCHLUCHTER C InsT. Ingenieurgeol. ETH (Zurich), 準教授
小椋 和子 東京都立大学, 理学部・化学教室, 助手 (20087117)
石渡 良志 東京都立大学, 理学部・化学教室, 教授 (90087106)
堀江 正治 京都大学, 理学部, 名誉教授 (90025320)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 琵琶湖コア / 国際基準 / 気候変化 / 地球規模編年 |
研究概要 |
1. 研究計画の概要 本研究では、各国間にまたがる湖成堆積物ボ-リングコア解析によって第四紀気候変化を中心とする地球規模編年を試みた。それらの地域は、日本(琵琶湖コア及び日本高地の氷河生成物)、ニュ-ジ-ランド、タスマニア、オ-ストラリヤ〜スイスである。ニュ-ジ-ランドではワイカレ湖で20mを越えるボ-リングを行い、絶対年代測定によって、2万年以上の古さにわたり第四紀後期のデ-タを入手出来ることになった。タスマニアでは、ダ-ウィン旧湖堆積物の60m長コアを得、その下部層の地磁気測定結果に基くと、ブル-ン期初期までの記録を含むと推定される。ベルリン市郊のタ-ルグ-トでは150m長のコアを取得し、中期洪積世〜後期洪積世の氷河性堆積物とみなされる。これらの地域の第四紀気候変化記録解析の国際基準となるのは琵琶湖1400mコアであるが、同時に陸上の証跡として、日本高地の氷河生成物研究により過去の氷河末端高度を明らかにし得、これによって気温の低下の程度を解明した。 2. 研究成果の概要 1)ニュ-ジ-ランド(添付資料(1)〜(7)参照)…資料(1)に示されるように、本コアが第四紀洪積世に属することは明白である。本湖はハミルトンに近く、海にも接近しているが、海水が侵入した形跡のないことは(2)の珪藻組成から分かる。細かい柱状図は(3)(4)に見る通りで、その地磁気変動ではインクリネ-ションの変動が琵琶湖コアとの関連の上で注目を惹く(資料(5)(6))。温度変動については資料(7)中のWのグル-プに示されている。 2)タスマニア(添付資料(8)及び(7)参照)…珪藻組成からみるとこの堆積物は浅い湿地にゆっくりと形成されたと考えられ、古湿度は(7)のAグル-プに示されている。花粉分析についてはColhoun氏がコアの約半分の分析を終えているので、このアイソト-プデ-タとの対比により近く決められる見込みである。また本湖は出口のない閉塞湖であるので、珪藻の生育深度解析により水位の変動すなわち降水量の変動が判明する見込みである。 3)スイス〜オ-ストリヤ(添付資料(9)〜(15)参照)…地磁気の変動をチュ-リッヒで測定し、ウィ-ンで解析中であるが、コア最下端の地磁気変動の性質から推測すると、本堆積物はブル-ン期初から連続して形成された傾向が強く((9)(10)(11)参照)、同様な成果を平成一年度に文部省へ提出した山口県徳佐盆地堆積物の地磁気測定結果中に得ているので、その対比を試み始めているところである。古温度については(12)(13)(14)(15)中に示されており、両者の対応を明らかにすることによって徳佐、琵琶との古温度対比が解明出来る見通しである。これは次に述べる日本高地の氷河生成物研究と密接な関係があり、ヨ-ロッパアルプスの氷河史研究で多くの成果を有するスイス、オ-ストリヤの氷河と日本列島の氷河、タ-ルグ-トの湖底堆積物と琵琶、徳佐の湖底堆積物、これらの総合的解析はアジア〜ヨ-ロッパにまたがる北半球の第四紀気候史確立の上で優れた役割を果たすと期待される。 4)日本高地(添付資料(16)(17)参照)…上の述べたような趣旨のもとに、白馬岳、立山の氷河形成物を国際協力のもとに山頂から山麓へ向かって追跡した結果、白馬岳では神城盆地まで、立山では栗巣野付近まで、第四紀氷河の伸張していたことが判明した。その海抜高度は600〜800mであって、先に我々が報告した日高山地、七の沢、八の沢付近の氷河末端デ-タと符号するところが多い。これは又、明治以来、論争の的となっていたヘットナ-石の起源に対しても一石を投ずるもので、同様な事実は最近、北京市郊外からも報ぜられている。これはさらに、目下、ウィ-ンで印刷中の琵琶湖ボ-リング成果図書 Die Geschichte des Biwa Sees in Japan (300ペ-ジ) 中に論ぜられている木崎湖コア中の花粉組成とも密接な関連を有しており、第四紀末期の日本列島の古気候が格段に判明してきている。 5)以上が概要であって、詳しい研究内容は分析のすみ次第、別掲の学術論文として発表されるが、本研究を各国毎に一つの目的へ向かい、日本科学者を中心とした組織的研究活動の典型たらしめることを組織構成者全員が期している。
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