研究課題/領域番号 |
01044108
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 泰一 九州大学, 理学部, 教授 (40037239)
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研究分担者 |
STUART W.F. 英国地質調査所, 部長
FRASER B.J. ニューキャッスル大学, 助教授
TRIVEDI N.B. ブラジル宇宙科学研究所, 部長
渡辺 富也 UBC大学, 教授
下泉 政志 北九州職訓短期大学, 講師
糸長 雅弘 九州大学, 工学部, 講師 (60213104)
坂 翁介 九州大学, 理学部, 助教授 (80108638)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1990年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1989年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 赤道ジェット電流 / 赤道磁気脈動 / 磁力計観測網 / 磁気圏波動観測 |
研究概要 |
本研究は2年で目的を達成する計画であるが、その目的は、主として赤道地域に高感度フラックスゲ-ト磁力計ならびに高時刻精度デ-タ記録装置を設置し、赤道ULF(磁気圏電磁流体波動)と赤道エレクトロジェットを観測研究するであった。内容は観測点の設営と科学的研究に分けられる。 【観測点設営状況】 設置された地磁気観測点の数は、 初年度 5点(ブラジル3、ペル-1,カメル-ン1) 第2年度 16点(ブラジル6、ペル-1,カメル-ン2,パラオ1(*),ヤップ1(*),グァム1(*),オ-ストラリア1,英国1,カナダ1) これらの地点における観測機器の設営は、赤道地域の高温、高湿度(ブラジル、パラオ)、または乾燥、多畑塵(カメル-ン、ペル-;砂漠による)、更に不安定商用電源など、悪自然環境、悪社会環境の中でおこなわれたにも拘らず、九大技術陣の高度技術によって周到に準備された計測機器と、各国の共同研究者の援助により初期の目的をすべて達成することが出来た。なお、*印は、本研究を遂行するにあたり、予算の不足分を民間企業の奨学金により補ったが、その奨学金による部分である。 【科上研究成果】成果は次の3つに分類される。 1.赤道ULFの観測的研究 本共同研究は、すでに5年前にスタ-トした課題名『赤道ULFの研究』のいわば第2次計画に相当している。第1次の研究により、ULF(pi2)の東西方向の波数をmとすると、高緯度のULF(pi2)は東西伝播に際し『m〉1』であるのに対し、赤道地域のそれは『m<1』の東西伝播態をしめすことが実証されていた。 今回は、その『m<1』を詳細に調べた結果、赤道地域のpi2は、地上で見る限り、地方時の19〜20時方向から赤道に沿って夜側と昼側に伝播するように見えることが判明した。これは、赤道pi2の物理構造を決定する上で大変重要な事実である。 2.赤道エレクトロジェット 赤道エレクトロジェットについて、本研究で解決すべき問題点とするのは、 a.エレクトロジェットの起電源と朝または夕方のリタ-ンカレントの道筋 b.カウンタ-エレクトロジェットの起電源とリタ-ンカレントの道筋 などである。 これらの問題を解決するために、特にリタ-ンカレントの道筋を決定するために、磁気赤道を横切ってブラジルに6点、カメル-ンに2点の観測点網を設けた。見込みでは、これだけでの観測点数ではなお不十分であるが、現状ではこれが全力をあげた結果である。理想にもう1歩近付いた観測網を設置することは第3次計画で予定されている。 現在、いまだデ-タを入手していないが、今回の結果から、次回にどのような観測網を設置すればこの問題が解決されるかの手がかりが得られるものと期待される。 なお、b.のカウンタ-エレクトロジェットの起電源については、少なくともカウンタ-エレクトロジェットの中には、磁気圏電場によるものが存在するという新しい事実が本研究によってわかってきている。
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