研究課題/領域番号 |
01044121
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石井 當男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90010363)
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研究分担者 |
PETTINGER W. Midwest Hypertension Research Institute, 教授
安田 元 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10145675)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00128589)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | α_2受容体 / Dahl salt sensitive rat / NG108ー15 cell / HT29 cell / OK cell / 制限酵素断片長多型 / 本態性高血圧症 / 集合尿細管 / 高血圧自然発症ラット(SHR) / Dahl rat / cyclic AMP / α_2受容体遺伝子 / HT29細胞 / OK細胞 / NG108ー15細胞 |
研究概要 |
1.α_2受容体遺伝子の研究 (1)遺伝性高血圧ratにおけるα_2受容体遺伝子RFLPの証明とその血圧との関係の検討 (1)Dahl salt sensitive rat(S rat)とsaltーresistant rat(R rat)でのRFLP.両ratの肝より抽出したgenomic DNAを用い、Msp I endonuclease消化後にα_2ーC_4probeとhybridizationするとS ratで3.0Kb、R ratで2.8KbのRFLPを認めた。S ratとR ratを交配し得られたF_1ratを兄妹交配し得た、F_2世代rat215匹の遺伝子型はSS型が予想の65%少なくメンデルの第一法則に従わなかった。さらにこの理由を明らかにするためF_1ratとSまたはR ratとのbackcrossを行なった結果、各グル-プ間のrat数に差はなく、上記のF_2世代の分布異常にはgene recombinationの関与が考えられた。 (2)SHRとWKY間のRFLP。共同研究者のPettingerらは、SHRとWKY間にα_2受容遺子子のRFLPを認め、このRFLPがF_2世代のratの血圧とcosegregateすることを証明、さらにSHR α_2受容体遺伝子の5'上流promotor域にpoint mutationが存在する可能性を示唆した。 (2)ヒトのおけるα_2受容体RFLPの証明とその血圧との関係の検討 Pettingerらは。米国人においてα_2受容体遺伝子のRFLPを証明した(J.HT in press)。我々は同様のrestriction enzymeを用い検討した結果、日本人にもα_2受容体遺伝子のRFLPが存在することをすでに確認した。現在50名以上の患者のDNAを用いて本態性高血圧症の有無によってその分布に差がでるかどうかを検討中である。 (3)α_2受容体サブタイプの遺伝子レベルからの検討=培養細胞を用いて= α_2受容体の遺伝子はヒト染色体、2、4、10番に由来する、少なくとも3種が存在する。一方薬理学的には同受容体は少なくとも3種(ABC)に分類されている。今回α_2A受容体を持つHT29細胞、α_2B受容体を持つNG108ー15細胞、およびα_2C受容体が存在するOK細胞を用いNorthern blot法とRibonuclease protection法を使い遺伝子分類と薬理学的分類との関係を検討した。OK、NG、HT細胞mRNAとα_2ーC_4probeをhybridizeすると4.2、4.0、4.4Kbのbandを認めた。α_2ーC_<10> probeとではHT各細胞でのみ4.4Kbと3.9Kbのbandを認めた。α_2ーC_2 probeとは各細胞mRNAのbandを認めなかった。Ribonuclease protection法の結果α_2ーC_4はOKとNG細胞で、α_2ーC_<10>はHT細胞でbandを形成した。α_2ーC_2はbandを形成しなかった。以上よりα_2ーC_4 geneはα_2Bに関係し、OKとNG細胞で、転写される。一方α_2ーC_<10> geneはα_2Aに関係し、HT29細胞に転写されることが明らかになった。 2.ラット培養集合尿細管細胞におけるα_2受容体ーcAMP系の証明 腎尿細管でα_2受容体は、他ホルモン受容体と競合し、水・電解質輸送に重要な役割を持つことが最近注目されてきている。尿細管は、多種類の上皮細胞から成り、今まで単一尿細管上皮細胞においてα受容体特性を調べることは不可能であった。研究分担者の安田らは培養rat深部髄質集合管上皮細胞を用い、 ^3Hーrauwolsine使用によるα受容体解析とNorthern Blot法による同受容体の解析、さらに細胞内サイクリックAMP産生を介するα受容体のVasopressin受容体との勇互作用を研究した。これらの方法で、集合管上皮細胞にα受容体サブタイプのα_2、さらにそのサブタイプのα_<2B>受容体を同定し、この受容体がasopressinの細胞内情報伝達系に拮抗することを世界に先駆けて発表した。
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