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東アジア地域の古文化財(青銅器および土器・陶磁器)の保存料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01044142
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

馬淵 久夫 (1991)  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (30011498)

浜田 隆 (1989, 1991)  東京国立文化財研究所, 研究員

濱田 隆 (1990)  東京国立文化財研究所, 所長 (00125212)

研究分担者 JETT Paul R.  スミソニアン研究機構, フリアー美術館, 保存科学者
JOEL Emile C  スミソニアン研究機構, 保存分析部, 化学者
CHASE W.Thom  スミソニアン研究機構, フリアー美術館, 主任保存科学者
CORT Louise  スミソニアン研究機構, フリアー美術館, 研究員
斎藤 努  国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (50205663)
ZELST Lamber  スミソニアン研究機構, 保存分析部, 部長
岩永 省三  奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (40150065)
田口 勇  国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (50192159)
SAYRE Edward  スミソニアン研究機構, 保存分析部, グループリーダー
VANDIVER Pam  スミソニアン研究機構, 保存分析部, 研究員
村上 隆  奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (00192774)
沢田 正昭  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (20000490)
佐原 真  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 部長 (20000466)
田中 琢  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 埋蔵文化財センター長 (40099958)
浅井 和春  東京国立博物館, 学芸部・法隆寺宝物室, 主任研究官 (60132700)
望月 幹夫  東京国立博物館, 学芸部・考古課, 室長 (60141991)
高浜 秀  東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 室長 (60000353)
佐野 千絵  東京国立文化財研究所, 保存科学部・物理研究室, 研究員 (40215885)
三浦 定俊  東京国立文化財研究所, 保存科学部・物理研究室, 室長 (50099925)
平尾 良光  東京国立文化財研究所, 保存科学部・化学研究室, 室長 (40082812)
PAMELA B Vandiver  Researcher, Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institution
PAUL R Jett  Conservation Scientist, Freer Gallery of Art Smithsonian Institution
LOUISE A Cort  Researcher, Freer Gallery of Art Smithsonian Institution
EDWARD V Sayre  Group Leader, Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institution,
EMILE C Joel  Chemist, Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institution,
LAMBERTUS Van Zelst  Director, Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institution
W Thomas Chase  Senior Conservation Scientist, Freer Gallery of Art, Smithsonian Institution
IWANAGA Shozo  Researcher, Asuka Fujiwara Palace Site Investigations, Nara National Cultural Pr
馬淵 久夫  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (30011498)
研究期間 (年度) 1989 – 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1991年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1990年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワード東アジア青銅器 / 縄文土器 / 鉛同位体比 / ブロンズ病 / 鍍金 / 鋳型 / 仏像 / Bronze Disease
研究概要

古代東アジアの青銅器と土器を、5班に分かれて、保存科学・考古学・美術史の立場から研究した。
1.東アジア文化財とその原料についての鉛同位体比のデ-タベ-ス作成:東京国立文化財研究所と米国標準技術研究所(NIST)の質量分析計によって共通試料の測定を行い、両者の同位体比の比較を行った。十分な一致が見られ、両者の測定値をデ-タベ-スに入力するための基盤ができた。米国ではフリア-・サクラ-美術館の商周青銅器を、日本では中国社会科学院世界宗教研究所の金正耀が集めた中国出土の商周青銅器の試料について、それぞれ鉛同位体比測定を行っている。米国のコレクションについては約500点、中国出土については約150点のデ-タが得られ、コンピュ-タに入力された。
2.ブロンズ病と青銅腐食のメカニズム:滋賀県雪野山古墳出土の漢式鏡と銅鏃について、錆の生成状況をX線回折、EPMA、顕微鏡などで解析した。特に、昔から問題になっている、中国鏡表面に時折みられる黒色錆が、埋蔵中の変化によるものか、製作時の特殊加工に由来するかを検討した。雪野山古墳出土物の場合には、青銅鏡(三角縁神獣鏡)のみならず銅鏃にも黒色のものがあり、製作地との関連にも興味がもたれた。20数面の三角縁神獣鏡を含む椿井大塚山古墳出土の鏡30面を詳細に観察した結果、対置式神獣鏡はつやのない黒色が全面均一に覆っているのに対し、三角縁神獣鏡はつやのある黒色が多いが、部分的に白色のところもあり、埋蔵中の化学変化によるものであることが確認された。いずれの黒色表面も、スズが濃縮していることも明らかになった。
3.古代東アジア青銅器における鍍金:フリア-美術館所蔵の5〜10世紀にわたる中国製金銅仏および7世紀新羅仏について、総計9資料の表面薄層試料を作り、スミソニアン研究機構・東京国立文化財研究所・東京工業大学・国立歴史民俗博物館の電子顕微鏡・EPMAで断層を観察した。時代により、製作地により鍍金層の厚みが異なることがわかり、鍍金技術の差異が認められた。いずれの試料にも水銀の使用が観測されたが、金層の表面近くは濃度が低く、加熱によって蒸公したことが伺われた。鉛は全体に粒状に分散しているが、その状況は試料ごとに大きく違っていた。錆の部分には、一般的に銅濃度が減少し、スズと鉛が濃縮している。このように科学機器で微視的に観察することによって、昔の製作技法の一端を解明することができた。また、浅井和春はフリア-美術館所蔵の銅造仏を美術史の立場から調査し、所見をまとめた。
4.東アジア青銅器の鋳型と鋳造技術の問題:フリア-・サクラ-美術館・泉屋博古館が所蔵する、商代から戦国時代に及ぶ中国青銅器を戸津圭之介とW.T.チェイスが調査し、鋳造技法についての詳細な特徴を把握した。青銅器の製作に関する日本の文献情報をデ-タベ-スに入力した。
5.縄文土器の技法・組成の研究:P.ヴァンディヴァ-は日本各地の縄文時代遺跡を訪問し、現地の考古学者と計議して縄文土器の試料片を収集した。これらの試料は、東京国立文化財研究所・奈良国立文化財研究所・国立歴史民俗博物館・CALで、顕微鏡観察・X線透視写真・ゼロラジオグラフィ-・CTスキャン・熱分析などの手段で詳細に調べられた。研究の最大の焦点は、ヴァンディヴァ-が西南アジアの初期に土器で見出していたSSC法(連続小片積み上げ法:佐原はパッチワ-ク法とよぶ)が縄文土器に見出せるかどうかであった。草創期の縄文土器を詳しく調査したが、容易には見出せなかった。岡村道雄は、従来の多数の調査から、西日本で出土する隆起線文土器は多分SSCで作られ、東北地方で出土する無紋土器はコイル法で作られたという見解を示している。
総括すると、青銅器においても土器においても、日米の共同研究により、多角的視野で幅の広い研究を行うことができた。

報告書

(2件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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