研究課題/領域番号 |
01044159
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 正之 東北大学, 理学部, 教授 (90004340)
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研究分担者 |
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
竹内 謙介 北海道大学, 理学部, 助教授 (00107450)
山形 俊男 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (50091400)
花輪 公雄 東北大学, 理学部, 助教授 (40142921)
安成 哲三 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80115956)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 黄砂現象 / エアロゾルの光学的性質 / 二酸化炭素濃度の時空間変動 / 積雪 / エルニ-ニョ現象 / インド・モンス-ン / チベット高原 / 自動気象観測装置 / 大気・海洋・陸地相互作用 / ソマリ海流 / 簡易日射計 / ATLASブイ / 表層ブイ / 放射対流平衡 / 暖水域 |
研究概要 |
大気・海洋・地表系のエネルギ-収支に関する正確な知識は、自然的要因による気候変動はもとより、地表温暖化などの人間活動の気候影響を解明する上でも不可欠である。本研究は、このようなエネルギ-収支に関する知識が特に欠如しているチベット高原の積雪域と西太平洋の暖水域を対象として、国際協力によって、デ-タの収集・解析・観測・数値シミュレ-ションを実施し、エネルギ-収支の実態と機構を理解することを目的としている。 研究成果の概要は以下の通りである。 1.中国科学院大気物理研究所および安徽光学精密機械研究所との協力により、中国大陸および西太平洋の放射エネルギ-収支の評価に重要なエアロゾルの光学的性質の解明を行った。これにより黄砂粒子を含む対流圏エアロゾルの粒径分布、複素屈析率、時間空間変動が明らかとなった。 2.西太平洋における大気中の二酸化炭素濃度を系統的に観測し、その変動に及ぼすモンス-ン循環や中国大陸の影響の解析を進めた。 3.中国科学院蘭州氷河凍土研究所および同高原大気物理研究所と、今後のチベット高原での大気・雪氷相互作用に関する観測研究について検討を進め、この観測に必要な測器の一部を調達した。さらに、北半球高層気象資料を用いた西太平洋・ユ-ラシア大陸の大気・海洋・陸面系の相互作用に関する解析研究を実施した。 4.海洋観測のための簡易日射計の有効性を検討し、実際に日本南方において表層ブイにより167日間の観測に成功した。現在赤道域のATLASブイにも設置して観測が続けられている。 5.エル・ニ-ニョに代表される短期気候変動を解明するために、太平洋のみならずインド洋全域をもカバ-する海洋循環モデルを開発し、数年間分の数値積分を実施した。これによりソマリ海流の季節変動や赤道域の海洋変動について興味ある知見が得られた。 6.海洋上における放射対流平衡状態を明らかにするため、積雲対流計算と放射計算を組み入れた新しいモデルを追求した。 7.エル・ニ-ニョ現象の発生と深く関わっている赤道太平洋西部の暖水域の構造とその形成機構を解明するため、デ-タを収集・解析すると同時に、観測に必要な測器(XBT)を調達した。
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