研究課題/領域番号 |
01044160
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高井 康雄 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (40011796)
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研究分担者 |
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (30018048)
長野 敏英 東京農業大学, 総合研究所, 助教授 (10012006)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)
足立 忠司 岡山大学, 農学部, 教授 (20012007)
久馬 一剛 京都大学, 農学部, 教授 (80027581)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 地球環境問題 / IGBP / MAB / 生物圏 / 生態系 / 熱帯林 / 塩類化 / 温室効果 / 砂漠化 / 人間インパクト |
研究概要 |
地球環境の悪化に対応し、地球環境変化のメカニズムを総合的に理解しようとする国際地圏生物圏計画(IGBP)および社会科学と自然科学とをつなげようとする地球変容の人間的側面研究計画(HGGC)などがその第一歩を踏み出そうとしている。また、かねてからユネスコの〔人間と生物圏MAB〕計画は、生物圏の環境・資源問題の解決することを目的として活動を続けてきたが、最近人間インパクトの要素をより強く意識し、また生態系に対する人間の積極的な管理の考えー生態技術的発想ーを導入し、地域から地球規模に対象を拡大してゆく新しい研究の方向が打ち出されている。これらの背景を踏まえて本研究は、とくに東アジアの陸上生態系の人間インパクトによる劣化機構とその修復の方策に焦点をあわせ、以上のような国際研究計画と補完の関係にあり、従来の地球環境破壊を防止し、さらに地球生態系の保全盛業の道を確立するために、地球環境問題の対策と研究が遅れているわが国として緊急に必要とされている課題でもある。 東南アジアの熱帯林、中国の大河のデルタ地帯を国際共同研究の対象とし、太平洋地域、中南米の熱帯林および東ヨ-ロッパの塩類化地域を比較しながら、生態系の構造と機能の劣化とその修復について、日本人研究者の派遣・外国人研究者の招待によって現地踏査を行い、既存の情報を交換し、ワ-クショップによってこれらの成果の総合解析を行った。これらの成果は、東アジアのみならず、全地球上の人間インパクトを受けている熱帯林、塩類化・砂漠化の影響下にあるデルタ地帯の環境・資源の保全と維持の方策のため基本的知見となるよう、他地域の知見との総合に努力した。 また、温室効果やオゾン層の破壊、森林の消滅、土壌の砂漠化、塩類化など、人間活動による地球環境破壊は人類の現実の脅威になっている。本研究では、このような地球環境問題の解決に寄与することを目的とし、東アジアにおける陸上生態系の人間インパクトによる劣化の機構を解明し、またその修復の方策を確立するために、特に生態系の脆弱な熱帯林及び中国の大河川のデルタ地域に焦点を合わせて、日本人研究者と外国人研究者の情報ネットワ-クに組織し、既往の知識と知恵を結集し、ともに現地調査を実施し、これらの成果を統合するための国際的、国内的ワ-クショップを実施した。 具体的には、わが国の研究者などにより最近東南アジアにおける熱帯林の生態系の構造と機能の研究が進められており、また中国における砂漠化・塩類化とその防止に関する知見も集積しつつある。今回の研究では、スミソニアン研究所とユネスコMAB計画の共同による中南米熱帯林調査、インドネシアの熱帯林破壊と修復の現況調査、ハンガリ-大平原における灌漑のインパクトによる塩類化の調査研究を実施した。さらに、従来から研究に関係してきた日本人、外国人研究者の協力体制を組織し、相互に情報を交換し、共同で現地踏査を行い、両者によるワ-クショップを持った。また、従来分散していた各種の重要な知見が統合され、とくに東アジアの陸上生態系劣化機構を解明し、その修復の方策を確立するための基礎的知見が集積された。
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