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サケ科魚類の回遊の関する内分泌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01044162
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

平野 哲也  東京大学, 海洋研究所, 教授 (70013571)

研究分担者 IVES Vallota  レンヌ大学, 分子生物学教室, 教授
PATRICK Prun  フランス国立農林水産研究所(INRA), 主任研究員
生田 和正  東京大学, 海洋研究所, 特別研究員 (30201908)
浦野 明央  東京大学, 海洋研究所, 助教授 (00142232)
PRUNET Patrick  Laboratory of Physiology, National Institute of Agriculture
VALLOTAIRE Yves  Department of Molecular Biology, University of Rennes
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
キーワードサケ・マス類 / 回遊 / 内分泌系 / 成長ホルモン / プロラクチン / 浸透圧調節 / 受容体 / 組換えDNA
研究概要

魚類の回遊はホルモンによって制御されている可能性がある。サケ科魚類の回遊行動とそれにともなって生じる浸透圧変化に対する調節の機構については、これまでに、プロラクチンが淡水適応、成長ホルモンは海水適応に重要な役割を果たしていることが示唆されてきたが、これらのホルモンの作用機序についてはほとんど分かっていないと言っても過言ではない。そのもっとも大きな理由は、研究対象となる魚種そのもののホルモンが手に入らないことがあったが、最近、シロサケとニホンウナギについては、遺伝子工学的な方法を用いて大腸菌に合成させた組換え成長ホルモンを、実験に必要なだけ入手できるようになってきた。それを利用して、わが国では血液中や組織中のホルモン濃度を定量するためのラジオイムノアッセイ系(RIA)が確立され、さらにホルモン受容体の研究を進める上での基礎的な技術であるラジオレセプタ-アッセイ(RRA)を行えるようになった。一方、フランスにおいても、INRAの生理学研究所を中心に魚類生理学へのバイオテクノロジ-、特に組換えDNA技術の応用が始まっている。このような日仏の現状を背景に、本研究では、遺伝子組換えの技術を用いて合成した脳下垂体ホルモンを使い、回遊と関係の深い生理機能の機構を明らかにするための共同研究体制を作ること、さらには実際に共同研究を開始することを目標に、プロラクチン受容体のRRAを確立するための共同実験を行った。
1.ティラピアプロラクチンのRRA系の作製
プロラクチンは硬骨魚の淡水適応ホルモンとされているが、その受容体についてはほとんど分かっていない。したがってそのレセプタ-アッセイ系を確立するためには十分量のホルモンが必要である。シロサケプロラクチン前駆体については、遺伝子のcDNAクロ-ンがすでに単離され、しかも塩基配列が解析されているが、組換えプロラクチンはまだ作られていない。そこで、組換えプロラクチンが入手可能なティラピア(Oreochromis mossambicus)を材料としてRRA系を作製することを試みた。組換えプロラクチンをクロラミンT法でヨ-ド化した後、肝臓、腎臓、腸、卵巣、精巣、鰓などから得た膜分画に対する特異的結合があるか調べ、腎臓の膜分画に最もよく結合すること、その結合定数(Ka)は2.06_X10^9M^<-1>、結合部位数(Bmax)は0.13fmol/ngという結果が得られた。競合阻害実験から、2種類あるティラピアプロラクチン(24Kと2OK)のいずれもが受容体に同様に結合すること、サケプロラクチンと競合することなどが分かった。
2.分子レベルでの共同研究についての打ち合せ
研究分担者の浦野が1月初旬に1NRAを訪問し、フランスの魚類内分泌学者が今後内分泌の研究にどのように分子生物学を取り入れていこうとしているのか、どのような形で日仏の共同研究を推進していけばよいのかといった点についての意見交換を行った。多くのINRAの研究者は、ホルモン受容体の遺伝子に興味を持っておりサケ科魚類の成長を研究しているグル-プは成長ホルモン受容体のcDNAクロ-ンを取ることを、浸透圧調節を研究しているグル-プはプロラクチン受容体のcDNAを単離することを試みていた。本研究のフランス側の分担研究者であるVallotaire教授はすでに、ニジマスのエストロゲン受容体cDNAを単離し、その塩基配列を明らかにしているが、さらにコルチゾル受容体cDNAの塩基配列を明らかにしつつある。フランス側からはPrunet博士が来日し、組換えホルモンの供給体制、受容体の研究についての今後の進め方等を打ち合わせた。
研究費を使用できる状態になってから間がないので、まだ記すべき研究発表は行っていない。

報告書

(1件)
  • 1989 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2025-11-19  

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