研究分担者 |
WEIDNER D.J. Dept. Earth and Space Sciences, State Univ, Proffessor
VAUGHAN M.T. Dept. Earth and Space Sciences, State Univ, Professor
PARISE J.B. Dept. Earth and Space Sciences, State Univ, Professor
圦本 尚義 筑波大学, 地球科学系, 助手 (80191485)
中井 泉 筑波大学, 化学系, 講師 (90155648)
高野 薫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (60133005)
栗田 敬 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (00111451)
福谷 博仁 筑波大学, 物理学系, 教授 (40011580)
大嶋 建一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70109271)
青木 貞雄 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (50016804)
藤井 保彦 筑波大学, 物質工学系, 教授 (00013524)
末野 重穂 筑波大学, 地球科学系, 教授 (30110513)
PARISE John State University of New York―SB, Dept. Ear, Assistan P
WEIDNER Dona State University of New York―SB, Dept. Ear, Professor
CHU Benjamin State University of New York―SB, Dept. Che, Professor
浜谷 望 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70156420)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
筑波大学とState University of New York at Stony Brook(SB校)は微小粒子と微小結晶の成長過程に関する研究を双方の得意とする実験及び理論で相互に協力しながら進めた。そのために初年度から互いに2名から4名の研究者を派遣または招聘し、共同実験、講演、討論を重ねながら広い分野間のつながりを広げ、また個々の研究者間の信頼と協力の精神を培った。共同における研究題目と交流は次のようである。 (a)高温高圧物質探査:高温高圧物質の研究は工業的及び宇宙・惑星科学的に重要であるが、SB校と筑波大学では共にこの研究が盛んである。特に合成実験ではSB校のLiebermann,Weidner,Vaughan教授等と本校の若槻教授(物質工学系)、栗田助教授(地球科学系)が技術と情報の交換を行なっている。特に放射光による高圧下での結晶成長の直接観察実験はつくば市の高エネルギ-研究所の実験施設が世界的に群を毅いているためSB校からは多くの招聘研究者が訪れ、ここで共同実験を行なった。ここ数年間でSB校の高圧実験施設は交流の成果もあり、実績を重ねて米国における高圧実験のセンタ-となったことは喜ばしい。 (b)単結晶の構造解析および組成分析実験も両校共に優れた実績を持っているが、互いに試料の提供や解析結果と実験手法の交流など重ねた。合成及び天然物質の構造・組成評価研究はSB校のParise助教授、Ko研究員、筑波大学の末野教授(地球科学系)藤井教授(物質工学系)、中井講師(化学系)が協力しつつ放射光を始めとするX線的研究を発展させてきた。SB校で合成された結晶を筑波大学のSIMSによる微量元素解析を行なうなどの新しい発展を見せており、両者の得意とする分野で互いに研究を補いつつ理想的な共同研究を推進している。 (c)小角散乱実験:SB校のChu教授はこの分野の第一人者であり、特に末野教授が開発を進めていたCCD検出器による小角散乱実験及び回折強度測定における応用についての共同研究と討論を行った。 (d)微小結晶からのX線回折強度測定:大政助教授(物質工学系、現在姫路工業大学)が開発したサブミクロンの微小結晶X線回折実験は、他に例を見ない実験技術であり、Chu教授やParise助教授が深い関心を示し、各々の分野におけるそ応用について討論と研究打ち合せが行なわれた。特に細いビ-ムを作る法や試料結晶の保持法について検討し,SUNY(Chu)がcollimatorを作成することになった。Chu教授が開発中の広領域の小角散乱装置は本研究の目的に重要であると考えられる。 (e)EXAFS実験:BNLにある測定システムを用いてParise助教授と中井講師は放射光を利用したX線分光分析法による非晶質物質中の金属元素の状態分析とEXAFS法による構造解析を行い、多くの有用な知見を得た。 (f)X線顕微鏡:放射光の平行性と偏光性を利用したX線顕微鏡に関する開発研究は物質科学において重要であるが、SB校のKirz教授と本校の青木助教授(物理工学系)が、永年にわたりNSLS(米国)と高エネ研の放射光を利用して共同研究を行なった。 (g)相転移とX線散漫散乱研究:NSLS(米国)と高エネ研の放射光を利用してSB校のStephens教授と大嶋助教授(物理工学系)が金属のマルテンサイト変態などに関する共同研究を行なった。 (h)講演会・研究会:両校の研究者が相手校を訪問した際には、講義またはゼミナ-ル形式で講演会・研究会を開催して互いに情報の交換と研究上の意見とアイディアを討論している。特に、Chu教授による講演会(題目:Recent advance in laser light scattering)は広く関心を集め、つくば市の各研究所からの研究者が参集した。 昭和60年に締結した交流協定も本科学研究費により交流が本格化し、お蔭で両校の研究者間に共同作業に対する違和感や不信感が取れ、親密にフランクに意見やアイディアの交換がなされ、両校の交流が定常的に行なうことが出来、共同研究に一層のはずみが附いたことが将来に亙って最大の成果であると考える。
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