研究課題/領域番号 |
01045007
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中村 好雄 群馬大学, 工学部, 教授 (90008425)
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研究分担者 |
PHILLIPS Gly The North East Wales Institute(U. K. ), 学長
小林 紀夫 群馬大学, 医学部, 講師 (60008539)
甲本 忠史 群馬大学, 工学部, 助教授 (00016643)
新井 幸三 群馬大学, 工学部, 教授 (60008456)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ヘパリン / 抗血液凝固活性 / 1ーフルオロー2,4ージニトロベンゼン / 2,4,6ートリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム / ヒアルロン酸 / 鶏卵殻膜 / 絹フィブロイン / 生体適合性 |
研究概要 |
1.ヘパリンの抗血液凝固活性は分子量、Nー、およびOー硫酸含量に依存するといわれているが、十分明らかにされていない。そこで、ヘパリンの抗血液凝固活性におよぼす化学構造の影響を明らかにするために、ヘパリンの化学修飾を行ない、それの抗血液凝固活性を追究した。 (1)ヘパリンは1ーフルオロー2,4ージニトロベンゼンによって容易にジニトロフェニル(DNP)化され、その反応拠点はヘパリンと未端アミノ酸残基との間に存在するガラクト-ス残基の6位炭素と結合している水酸基と、末端アミノ酸残基であることを認めた。またDNP化ヘパリンの抗血液凝固活性は未修飾試料に比べて著しく低下し、ヘパリンにおける上記修飾拠点と抗血液凝固活性とは密接に関係していることを認めた。 (2)ヘパリンと2,4,6ートリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(TNBS)との反応を光分学的に究明した。すなわち、TNBSと反応するヘパリン中のアミノ基はヘパリン鎖の末端に残存するαーアミノ酸残基のアミノ基とヘパリン主鎖中のヘキソサミン残基中の遊離アミノ基の2種類であること、およびそれらアミノ基とTNBSとの反応性は著しく相違することを認めた。 2.優れた保水能力と異物質の組織への侵入防止機能をもっているヒアルロン酸を種々の蛋白質に固定化し、生体適合性の優れた重度火傷の被覆材及び人工皮膚の開発を目的として本研究を行なった。 (1)塩化シアヌ-ルを架橋剤としてヒアルロン酸をアルカリ性下で絹フィブロイン膜に固定化させた。得られた固定化膜はメタクロマジ-を示し、ヒアルロン酸の固定化が確認された。また、FTーIRで固定化ヒアルロン酸量を定量した。このようにして得られたヒアルロン酸固定化絹フィブロイン膜の吸水性はヒアルロン酸の結合量の増加に伴って著しく増大した。 (2)ヒアルロン酸をホルムアルデヒドで固定化させた鶏卵殻膜はメタクロマジ-を示し、ヒアルロン酸の共有結合による固定化が確認された。そして、固定化膜の水和度はヒアルロン酸の結合量と共に増加した。しかし、水中における溶存酸素の透過機能はヒアルロン酸の結合量とは全く無関係に未反応鶏卵殻膜と同程度であり、シリコ-ンゴム膜とほヾ等しかった。また、ヒアルロン酸固定化鶏卵殻膜の生体適合性(血小板の粘着試験)は未反応鶏卵殻膜よりも明瞭に優れていた。そしてまた、鶏卵殻膜の代りにゼラチン膜を使用した場合にも、鶏卵殻膜の場合とほヾ同様な結果を得た。
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