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日韓両国における養殖漁業の比較・研究

研究課題

研究課題/領域番号 01045026
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関長崎大学

研究代表者

八木 庸夫  長崎大学, 水産学部, 教授 (20041725)

研究分担者 ゆ 東運  釜山水産大学校, 資源経済学科, 副教授
李 承来  釜山水産大学校, 資源経済学科, 副教授
崔 鎮浩  釜山水産大学校, 食品栄養学科, 副教授
崔 正ゆん  釜山水産大学校, 水産経営学科, 副教授
朴 九乗  釜山水産大学校, 資源経済学科, 教授
橘 勝康  長崎大学, 水産学部, 助教授 (20171712)
浜田 英嗣  東京水産大学, 資源管理学科, 助教授 (80172972)
井手 義則  長崎大学, 商科短期大学部, 教授 (20136691)
槌本 六良  長崎大学, 水産学部, 教授 (20080525)
LEE Sung Rae  Pusan Fisheries University
CHAL Jin Ho  Pusan Fisheries University
CHAI Jung Yun  Pusan Fisheries University
PARK Ku Byoung  Pusan Fisheries University
崔 正銃  釜山水産大学校, 水産経営学科, 副教授
〓 東運  釜山水産大学校, 資源経済学科, 副教授
赤枝 宏  長崎大学, 水産学部, 助教授 (70136638)
研究期間 (年度) 1989 – 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード生産力担当層 / 過剰生産 / 産地加工 / 食品の安全性 / 協同組合 / 陸上養殖 / 複合養殖 / 予約相対取引 / 容存酸素 / 「漁場の天気予報」システム
研究概要

過去3ヶ年に及ぶ日韓スタッフの共同研究は意義深いものであった。 端的にいって韓国側は自国養殖業で今後到来するのであろう諸問題が明らかとなり、日本側は韓国における養殖業を調査して、かって日本が歩んできた途筋が明らかになったという点、さらに分担別スタッフや全員の相互交流が活発に行われたからである。
日韓魚類養殖業の比較研究成果は以下のとおりである。第一に養殖業の担い手が異なるという点がある。日本の場合、魚類養殖が産業的に確立したのは昭和30年代であるが、すでにこの時期には沿岸漁業者の経営的力量が蓄積されており、結果として魚類養殖は彼ら沿岸漁民が担っていった。一方、韓国では昭和40年代後半に魚類養殖が開始されたが、資金面や技術面等では沿岸漁民が担当できる力量を有しておらず、流通業者や加工業者が副業としてハマチ養殖(中間種苗)を開始させている。大手資本を含めて、これら資本制企業が魚類養殖の生産力担当層となり先進国日本からの技術移転を行った。したがって、韓国魚類養殖業は急ピッチで人工種苗技術を中心に日本の水準に近づきつつある。今後、韓国では漁場開放(民主化運動)が進み、いわゆる沿岸漁民が養殖業担当層になることが予想されるが、この移行の過程で養殖技術改善なり、これまで蓄積された技術をどういう形で漁民に伝達していくのかが緊急の課題であることで共通認識が得られた。
流通・販売面では日本では過剰生産問題が顕在化、その対応としてフィ-レ等の産地加工、製品化や高鮮度販売としての活魚流通対応がなされているが、技術水準や沿岸漁民の養殖業への過度の参入傾向から韓国でも早晩過剰生産問題が生じるとの意見も出され、そのための準備を加工、製品化を中心にするべきとの共通認識も得られた。
以上の点では日韓が決定的に異なるのは協同組合の力量である。日本では漁協は多くの問題を抱えながらも総合的協同組合として販売、購買、信用、指導事業等を行い、さらに漁業権管理機能も発揮しているのに対し、韓国では信用事業に偏った組合運営が続けられており、真の意味で沿岸漁業者と結合していない。第2年目調査の総合ミ-ティングで合意がえられたのはこの点であり、韓国の魚類養殖を沿岸漁民が担っていくならば、この協同組合の再検討と組織改善が不可欠であるとの結論に達した。
3年度に実施された日本における消費地調査でも貴重な成果が得られた。日本ではすでに魚類養殖の構造再編が一段落の状態にある
3年度に実施された日本における消費地調査でも貴重な成果が得られた。日本ではすでに魚類養殖の構造再編が一段落の状態にあるが、それは産地雑が主導したというより、流通業者や消費者が構造再編を促したという点である。漁業者自身が自己変革するというよりも消費地が魚類養殖変化の軸になっていることが認識された。消費者は食品の安全性に敏感に反応するようになっているが、彼ら消費者を念頭においた「魚づくり」が重要になっている。
魚類養殖業は日本、韓国両国では様々な問題を克服しながら発展していくことが予想される。両国の養殖業の関係は近年大きく変容している。かつて韓国は中間種苗を日本に輸出し、いわば下請として位置づけられていたのに対し、近年日本はマダイの韓国輸出を開始し、垂直的分業システムは解消されている。今後、韓国市場は日本魚類養殖のマ-ケットとして拡大されるものと思われる。一方、韓国は養殖技術が向上しつつあるとはいえ、なお日本のそれから学ぶべき点は多い。特に、近年問題化している沿岸漁業制度の改変については、日本が既に経験した部分も多く、社会・経済の差異はあるが参考になる点も多いと思われる。今後さらに日韓の相互交流を深め、両国の健全な魚類養殖業の発展に向けて情報交換することが重要であるとのことで参加者全員の共通認識が得られた。

報告書

(3件)
  • 1991 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 八木 庸夫: "韓国魚類養殖の経済条件" 西日本漁業経済学会誌.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 濱田 英嗣: "日韓養魚流通構造の比較・研究" 西日本漁業経済学会誌.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 八木 庸夫・他研究参加者9名共著: "日韓両国における養殖漁業の比較・研究" 長崎大学水産学部研究報告.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tsuneo Yagi: "Economic conditions of Korean fish culture" The West Japan Fisheries Economic Society.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Eiji Hamada: "Comparative study of the circulation structure of Japanese and Korean fish culture" The West Japan Fisheries Economic Society.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tsuneo Yagi and the other 9 (joint work): "Comparative study of Japanese and Korean aquaculture"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 八木 庸夫: "韓国魚類養殖の経済条件" 西日本漁業経済学会誌.

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 濱田 英嗣: "日韓養魚流通構造の比較・研究" 西日本漁業経済学会誌.

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 八木 庸夫他研究参加者9名共著: "日韓両国における養殖漁業の比較・研究" 長崎大学水産学部研究報告.

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 八木 庸夫: "韓国魚類養殖の経済条件" 西日本漁業経済学会誌.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 濱田 英嗣: "日韓養魚流通構造の比較・研究" 西日本漁業経済学会誌.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 八木 庸夫・井手 義則: "韓国経済発展と水産業" 長崎大学水産学部研究報告.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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