研究分担者 |
WAYAN Redi A ウダヤナ大学, 畜産学部, 講師
I Gusti Ngur ウダヤナ大学, 医学部・細菌, 講師
SOETJININGSI ウダヤナ大学, 医学部・小児科, 小児栄養部長
I.GDE Anggan ウダヤナ大学, 教育学部, 教授
ADNYANA I.G. ウダヤナ大学, 学長
福田 和夫 湊川女子短期大学, 児童教育学科・英文学, 教授 (30089073)
木原 成一郎 湊川女子短期大学, 児童教育学科・幼児教育, 講師 (20214851)
大前 衛 湊川女子短期大学, 児童教育学科・幼児教育, 教授 (40149662)
日下部 恵子 湊川女子短期大学, 家政学科・栄養, 教授 (40158100)
岡本 進 湊川女子短期大学, 家政学科・生活文化, 助教授 (70152345)
佐伯 敬道 湊川女子短期大学, 家政学科・栄養, 教授 (80215574)
西羅 寛 湊川女子短期大学, 家政学科・栄養, 教授 (80031160)
大森 雅人 湊川女子短期大学, 家政学科・生活文化, 講師 (00194308)
児島 正巳 湊川女子短期大学, 家政学科・養護, 教授 (90149667)
I. G. N. P. Adnyana Udayana University, Rector & Professor (Faculty of Medicine)
I. G. A. Suhandana Udayana University, Department of Education, Professor
I. W. R. Aryanta Udayana University, Faculty of Animal Science, Senior Lecturer
I. G. N. Suyasa Udayana University, Faculty of Medicine, Senior Lecturer
I.KETUT Sula ウダヤナ大学, 蓄産学部, 講師
I.GST.NGR.AG ウダヤナ大学, 農学部, 講師
MADE Badra A ウダヤナ大学, 蓄産学部, 講師
SOETJININGSI ウダヤナ大学, 医学部・小児科, 小児栄養部長
NY.HILDA Sud ウダヤナ大学, 医学部・心理学, 講師
I.G.N.P.ADNY ウダヤナ大学, 学長
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研究概要 |
「先端生物学的研究」を発展途上国の実態に即した面に置く戦術はここ3年間の調査・研究活動を通じて両者の研究者に強いインパクトをもたらしたものと考えられる。ここ3年間で得られた研究成果について概要する。 1.生命を守るための研究 (1)ウダヤナ大学(パリ)とインドネシア大学(ジャカルタ)の入院患児について血中エンドトキシン量と疾病の関連を調べたところ,チフス症の有熱期ではエンドトキシンの濃度が高く,菌血症によるものと考えられた.また,肝疾患児では中程度のエンドトキシンを認め,肝障害とエンドトキシンの関連が示された.他方,化膿性髄膜炎とデング出血熱ショック患児ではエンドトキシン量はきわめて少なかった.今後多数例についての検討が必要と考えられる. (2)カブトガニ血リンパによるリムルステスト(発色合成基質法)に及ぼすある種のプロテア-ゼ・インヒビタ-の効果を検討したところ,反応系にトリプシン類似酵側の介在が認められ,その特異性が示唆された. (3)内毒素の遊離及び不活性化をin vitroで検討するために,培地調製時の培地中のリムルステスト反応物質の変動を調べたところ,エンドトキシン活性は高圧滅菌時間の経過に伴い失活するが,他の反応物質は容易に失活しないことが認められた.なお,このような結果はリムルステストに関与する非特異性の物質がエンドトキシン,βーグルカンのほかにも存在することを示すものである. (4)インドネシア産カブトガニ(マルオとミナミカブトガニ)の血リンパを抽出し,エンドトキシンによるゲル化を試みたところ,陽性反応が認められ,かかるカブトガ血球のエンドトキシン検出に対する利用が考えられた. (5)ジャワ島特にジャカルタ周辺におけるカブトガニの生態調査をしたところ,ミナミカブトガニが多く棲息することがわかった.なお,バり島周辺ではカブトガニに関する情報は遂にえられなかった. (6)インドネシ産カブトガニを如何に利用し,保護するかについて討論した. 2.生活の質的向上のための研究 (1)食品分野:(a)バリ島の伝統食品についての調査から,特に食品衛生上かかる食品の徹底した再吟味の必要性を痛感し,加工貯蔵の改善こそが差し迫った問題と考えられた.(b)知名度の最も高い伝統食品“LAWAR"を日本で試作し,本品の腐敗過程における細菌,エンドトキシンおよび腐敗産物(揮発性塩基窒素)の変動について検討したところ,腐敗進行とこれら三者の間にはきわめて密接な相関性が認められ,この結果,エンドトキシンは食品腐敗の手っとり早いマ-カ-として利用できるものと判断された.なお,本実験から分離した数種のグラム陰性菌にはリムルステスト反応にそれぞれ差のあることが認められた. (2)教育分野:日本とインドネシア(バリ島)の幼児教育に関する比較研究を主なテ-マとした.勿論,文化差はきわめて大きいが,双方が独自の立場で,心理・教育的観点から共通の問題を堀りおこすことからはじめた.日本文化が日本人を形形し,インドネシア(バリ島)文化がインドネシア人(バリ人)をつくるという考えに立てば,日本人のパ-ソナリティと日本経済の発展との関の関連性がインドネシア人(バリ人),特に活同研究者には関心事であることが我々の注目をひいた.最終年には幼児教育,児童文化等の比較検討をめぐり,集中的な討論がおこなわれた.今後の課題は相互の差異を認めながらも両国間で学ぶべき事項を抽出することにあると結論された.なお,前後6回(日本3回,インドネシア3回)に及ぶ関連フォ-ラムを開催し,相互に本研究に関する理解を深めたことは今後に大きな意味を残しうると信じられる.
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