研究概要 |
(2)研究実績の概要 1)超高純度ハロゲン化銀結晶の精製及びその混晶並びに新しい超伝導性光伝導物質の作製の研究:超高純度AgCl_XBr_<1ーX>結晶,超伝導性光伝導物質系YーBaーCuーO,LaーCuーO,BaーPbーBiーO,BiーSrーCaーCuーOの他,新しくNdーCeーCuーO,BiーSrCa(LaY)ーCuーO系を組織的にしらべた。また特に超伝導性光伝導現象の基本物質と考えられたCu_2O,Bi_2O_3の単結晶の精製にも力を注いだ。2)極低温における高速,高分解能光物性測定装置による素励起の凝縮状態の研究:超高純度AgCl_XBr_<1ーX>結晶の遠赤外領域での反射の精密測定で混成フオノン様式の型の遷移を確認,超伝導性光伝導基本物質Cu_2Oの遠赤外、可視光領域でのより精密な温度依存性の測定を行った。3)強磁場,高電場制御での半導体内担体,ポ-ラロン系の非線形応答と特異な分布状態及び,そのダイナミクスの研究:超高純度AgCl_XBr_<1ーX>結晶でのポ-ラロン系のサイクロトロン共鳴の実験を行い,結合定数の異常な減少を発見した。強磁場,高電場内ピエゾ型半導体Cds結晶内伝導電子の運動量空間での凝縮状態を研究し,音響型フォノンの役割を見出した。4)超伝導性光伝導物質におけるポ-ラロンと励起子の光伝導現象による超伝導性光応答機構の研究:Y_<3ーX>ーBa_XーCu_3ーO_Z,及びBa_1ーPb_<1ーX>ーBi_xーO_Z,Nd_2ーCu_1ーO_Z及びBi_2ー(Sr_2Ca_1)_<1ーX>(La_2Y_1)_XーCu_2ーO_Z各系でのパルス光伝導現象と超伝導現象との共役性の詳細な研究を行った。また超伝導共役性光伝導基本物質と考えられるに至った絶縁体Cu_2O,Bi_2O_3についてのパルス光伝導の実験結果の他、光伝導の異常と相転移との相関の研究に力点を戻し,C_<60>やSrCuO_2などの同様な研究をも展開した。5)極低温における半導体,イオン性結晶内での素励起及びそれらの凝縮系の光磁性と緩和機構のダイナミクスの研究:高密度光励起状態Cu_2Oの光磁性をサイクロトロン共鳴で追求し,midーgap statesの存在を示唆する可視光ーマイクロ波2重共鳴現象という特異な軌道反磁性を発見した。6)超伝導オプトエレクトロニクス素子の基礎研究:上記の各系に加えて絶縁体Cu_2O,Bi_2O_3などは、これまでに予測されていない超伝導性と深い相関をもつ光伝導性を示すので,これらを組み合せた超伝導オプトエレクトロニクス素子を提案した。7)ポ-ラロンなどの素励起とそれらの凝縮状態及び半導体内担体の非線形応答とダイナミクス及び超伝導性光応答機構の理論的研究:実験結果の総合的な考察を続行し,超伝導性光応答機構について,1つの仮説を提起した。 その他、国有特許の国内及び国外出顧とその対応にも努力し、その結果アメリカ合衆国特許庁よりUnited States Patent (Granted),US Patent No.4,990,487;Date:Feb.5th,1991 valid until Feb.5,2008;"SUPERCONDUCTIVE OPTOPELECTRONIC DEICES",Inventor:Taizo Masumi,Assigne:The University of Tokyo.USPTO Notice of Allowance,dated Jan,24th,1992,US Appl.No.07/696,999:THE UNIVERSITY OF TOKYO,Inventor:Taizo Masumi,For:"PHOTOCODUCTIVEーSUBSTANCE OF THE YーBAーCUーO SYSTEM AND A METHOD FOR PRODUCING THE SAME"(AS AMENDED)という認可の通知を受けた。
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