研究課題/領域番号 |
01065002
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30135298)
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研究分担者 |
水野 亮 名古屋大学, 理学部, 助手 (80212231)
小川 英夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022717)
河鰭 公昭 名古屋大学, 理学部, 名誉教授 (60022513)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
307,000千円 (直接経費: 307,000千円)
1992年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1991年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1990年度: 109,000千円 (直接経費: 109,000千円)
1989年度: 163,000千円 (直接経費: 163,000千円)
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キーワード | 電波天文学 / 星の形成 / 星間分子 / ミリ波天文学 / 星間物質 |
研究概要 |
今年度、特に努力を集中したのは、分子雲コアの観測である。超伝導受信器を搭載した4メートル電波望遠鏡によって一酸化炭素 (C180)、硫化炭素 (CS) などの微弱な分子スペクトルによる観測が大きく進展した。へびつかい座、おうし座、オリオン座などの観測で計1万5千点のデータを得て、分子雲コアを同定し、分子雲コアの物理量の推定し、星形成の有無等について調べた。その結果以下の点が明らかになった。 1.おうし座の主要部分について、高密度部ではほとんど漏れなく星が形成されている兆侯があり、分子雲コアと赤外線源との高い相関がある。しかし、高密度分子ガスは、しばしば分子雲コアの複合体として連結的に分布しており、個々のコアへの分離はかならずしも明瞭ではない。むしろ、分子雲コアの複合体中での高い効率での星団形成と捉えられる。 2.へびつかい座は、おうし座とは対照的に、分子雲コアは明瞭に分離される。観測領域は、同領域をほとんど完全にカバーし、計26個の分子雲コアが同定された。コア1個の平均質量は、30太陽質量程度である。また、その内の形状が明瞭なコア7個についてより詳しい解析を施し、ほぼ距離の1.7乗程度のべきで密度が中心集中していることを見いだした。これは、理論的に予想される平衡状態のコアの密度分布と矛盾しない分布である。 おうし座において、もうひとつ注目されることは、星のないコアが10個程度検出されたことである、これらのコアの3個について45メートル電波望遠鏡による詳細観測を行い、半径0.01パーセクのよりコンパクトなコアの存在を見いだした。この質量は0.1太陽質量程度である。この結果は、分子雲コアの重力収縮の極く初期の段階を見ている可能性があり、星間雲の理論的な収縮モデルの直接検証への手掛かりを得たものである。
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