研究概要 |
天文学の近年の発展は,新しい専門用語の洪水となってあらわれている。これは新しい技術の開発と相まって,幾つもの周辺分野との合作の結果である。それらの新しい研究成果は,報道,出版,教育活動を通して,一般知識人の関心を集めて,広く文化に影響を及ぼしている。このような中で,天文学用語を,新しい概念を創り出した小さい専門家集団の中でのみ用いられる符号としてではなく,先ずは天文学の研究者間で共有して用いられる符号とするための調査研究をすることになった。 作業の第1段階は,高いひん度で近年用いられている天文学用語の採集からはじめた。各種文献から英語で約2万語を採集した上で,重複を取り除いて約1万2千語とした。作業の第二段階では,それらの用語を取り除いて約1万2千語とした。作業の第二段階では,それらの用語を約20の分野等のファイルに分割して,多数の分担者,協力者に分配して(1)日本語の記入と, (2)用語としての採否の記入を依頼して,各分野等のファイルにそれぞれ3ー5名が意見の記入をした。その結果をファイルに入力し,分野等に分割したファイルを合体して,英語のアルファベッド順に並べ替えて,一応の用語集の案とした。 この案に対して広く意見をつのるために,日本天文学会発行天文月報平成2年3月号学会だより欄に「天文学用語集」の改訂について(2)の記事を載せて,公開検討会(5月7日京大,第四次資料配布,第五回全体会議)を開催した。 その意見をまとめて,ファイル修正(6月), 世話人等(8名)が各自で全体の検討(7ー8月), ファイル修正をして,第六回全体会議(10月16日仙台,第五次資料配布),再度ファイルを分割して最初に日本語の記入をした分担者等の意見を徴した。そのあと代表者等がファイルに検討を加えて,2月14日の12時間検討会(6名)で遂語に検討を加えて,約5200語の用語案を決定した。
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