研究課題
複数の研究チ-ムで研究を行なった。主な成果は次の通りである。1 コンピュ-タ接触と子どもの心理的特性との関係約700名の小学生に4カ月の期間をおいて2回にわたり、コンピュ-タ接触、創造性、コンピュ-タへの態度、学習意欲、学習技能、共感性などについて、質問紙法により調査した。その結果、学校におけるコンピュ-タ接触の増加と創造性得点の伸びは正の相関を示すが、逆に家庭におけるそれは負の相関を示すことが見いだされた。10〜14才の小中学生392名についてテレビゲ-ムへの接触度、社会的発達、攻撃性、戦争への態度、学級内地位、成績などについて調査した結果、小学校男子児童において、テレビゲ-ムの接触の増加と社会的発達の遅れ、成績の悪さ、戦争に対する好みとの間に相関のあることが見いだされた。高校生186名について、創造性とコンピュ-タ使用期間との関係を調べた結果、創造的態度に柔軟性、問題解決力、進取性、持続性、創造性の6次元があること、コンピュ-タ使用度と柔軟性の関係が高いことが見いだされた。2 子どもの認知的及びメタ認知へのコンピュ-タの影響中学生について、動機づけ、問題解決能力を測定するテストを課した結果、男子では失敗に対する柔軟的態度ならびに思考過程の重視の得点と学業成績の得点の相関が高いこと、さらに児童、生徒の学習に対する統制感と学業成績の関係を調べた結果、勉強は楽しくなく、自分の興味からしているのではないことが示された。それに対して、コンピュ-タを用いると学習意欲が出、自ら学習に取り組むことが想定された。小学校5年生社会科の授業で、コンピュ-タを用いデ-タベ-スを使わせることによって、思考過程を重視する児童においては、学習技能の伸びが認められた。これらの結果を現在取りまとめ中である。
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