研究課題/領域番号 |
01102011
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
潮木 守一 名古屋大学, 教育学部, 教授 (80022391)
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研究分担者 |
川嶋 太津夫 名古屋大学, 教育学部, 助手 (20177679)
金子 元久 広島大学, 大学教育研究センター, 助教授 (10185936)
浅木森 利昭 国立教育研究所, 教育情報センター, 室長 (60150025)
菊池 城司 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00027963)
市川 昭午 国立教育研究所, 教育政策研究部, 部長 (00000050)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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キーワード | 教育統計デ-タベ-ス / 教員需要の将来推計 / 大卒就職率 / 進学行動 / 女性教員 / 大学・短大教員需要推計 / 学歴別労働力 / 学校ぎらい |
研究概要 |
本研究の最終年度にあたる本年度は、計2回(平成2年5月、平成3年1月)研究集会を開催し、以下のような成果を得た。 1.小・中学校および高等学校教員の将来需要の推計を、従来の推計方法に以下のような一定の改善を加えて行った。(1)従来は5年単位で推計を行ってきたが、今回は平成12年度までの期間につき各年度ごとに需要推計を行った。これは、昭和61年度の『学校教員統計調査』について目的外使用が認められて、1歳刻みでの年齢構成に関するデ-タが得られたためである。(2)40人学級への移行に伴う教員増の推計を、従来は全ての都道府県について、教員1人当たり児童・生徒が一律に0.889倍(つまり40/45)に減少するという前提に立って推計を行ってきたが、今回は平成元年度版の『学校基本調査報告』の小学校の学年別学級当たり児童数のデ-タから、40人学級に既に移行している1年から4年までと、45人学級の5、6年生の数字を比較することにより、40人学級移行に伴う教員増を各都道府県ごとに推計することが可能になった。その結果、学級規模縮小率は、小学校の場合は群馬の0.881を最低として最高の山梨の0.956の間に分布し、中学校の場合は福井の0.889を最低として、青森の0.959の間に分布することが分かる。従って、従来使用してきた0.889という数値は、実際に起こり得る需要増以上に高めの教員需要増を推計していたことになる。 2.昭和35年から平成元年までの『学校基本調査』の大学卒業者の卒業後進路のデ-タを男女別、学部系統別に分析したところ、男子については、(1)その就職率は昭和50年を底としてその後回復したが、教育学部のみはいまだ回復できないこと、(2)昭和35年前後は学部間に就職率の格差は少なかったが、昭和45年以降学部ごとにその就職率の推移のパタ-ンに差が生じてきた。以上のことより、大卒男子については、大卒自体にメリットはなく、どの学部を出たかによる差が就職に関して生じていることが分かった。他方、女子に関しては、就職率の学部間格差は減少する傾向が一貫してみられ、女子については大学進学はメリットのある選択行動であることが示唆されている。 なお、以上の研究成果を含めた研究成果報告書を刊行した。
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