研究課題/領域番号 |
01102018
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高井 康雄 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (40011796)
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研究分担者 |
長野 敏英 東京農業大学, 総合研究所, 助教授 (10012006)
木村 真人 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20092190)
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (30018048)
有賀 祐勝 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017022)
小倉 紀夫 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 河口域 / MAB計画 / 潮間帯 / 陸起源物質 / 低湿地 / 植物プランクトン / パイライト |
研究概要 |
河口域は生物資源の貴重な宝庫であると同時に、人間活動の影響を直接的に受ける場でもあり、資源と環境に関わる諸問題を抱えている。特に、この地域は、河川と陸の接点に位置する半閉鎖性の海域であるために、様々な陸起源物資を受け入れており、しかも大都市の多くが河口域に発達するために、埋め立て、干拓などにより大きな変貌を遂げつつあり、河口域の保全と制御は、わが国のみならず、東・東南アジアの諸国においても、社会的に緊急を要する課題になっている。 本研究は、このような状況に対応して、ユネスコMABの地域共同研究と連携しながら、1)潮間帯の生物特性と環境、2)河川・河口域における陸起源物資の動態と制御、3)河口域低湿地の環境特性と制御などの問題点を基本的に解明、把握することを主要な目的とした。また、本研究に関連して、3年間にわたり、毎年わが国研究者の国内、海外におけるユネスコMAB計画関係の研究成果を編集印刷して国内及び海外へ配布するとともに、平成2年度は生態系研究の方法論に関する東・東南アジアの研究者による地域セミナ-を行い、その報告書を出版した。 野外研究では、1)塩性植物はその存在により潮汐流あるいは波を減衰させ、水中の懸濁物質を沈積させて底質の物理的攪乱への安定性を高めること、2)河口域においては排水中の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が除去されること、3)多摩川河口域における植物プランクトンによる窒素取込量を、4)蒲生干潟においてもっとも広面積を占めているヨシとオギについてそれぞれの住み分けの機構を、5)中海と韓国西海岸の河口域低湿地の土壌を比較し、後者は前者に比べてパイライトの集積量が著しく少なく酸性化の程度も小さいことなどを示し、また6)気球による河口域生態調査の方法の基礎を確立した。
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