研究分担者 |
森岡 俊夫 九州大学, 歯学部, 教授 (00028721)
飯塚 喜一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授
小西 浩二 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40066973)
岡田 昭五郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30013858)
森本 基 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20050015)
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研究概要 |
う蝕ハイ・リスク児の検出方法を,学校歯科保健活動の現場に即した形として体系化することを目的として本研究班では,う蝕のリスク要因とその予測性について平成元年度より検討を重ねてきた。これまで報告されているリスク要因は数多いが,その中で実際の我が国の学校歯科保健活動で有用に使用できる頃目について検討した。 なかでは,いわゆるプラ-クや唾液などを用いた「う蝕活動性試験」の取り扱いについての検討が多いが,本研究班としては,う蝕ハイ・リスク児の一次的検出方法としては,1)手技的問題,2)予測性期間の点から,より短期間での予測やスクリ-ニングに用いるべき二次的要素が高いとの意見にまとまった。 更に種々の手法を検討した結果、わが国の学校歯科健診で使用されている3号様式を効果的に利用し,かつ1年生の時点で6年生の時点を予測してう蝕ハイ・リスク児を検出する方法が最も適当であろうとの結論に達した。そこで全国の15小学校を対象に1,171名の児童について一定の基準下に解折を実施した。その結果、小学校1年との時点でのdmftと6年生の時点でのDMFTの間に,男子においてγ=0.14〜0.63および女子においてγ=0.16〜0.66の相関係数を得ることができた。 一方,フッ化物を応用している小学校では,学校間に差のあることはいなめないが総じて乳歯う蝕の状態が永久歯う蝕を反映しないと考えられた。 1年生時点での乳歯う蝕によって,6年生時点でのう蝕罹患状態をどれだけ予測しうるかについて,判別分析では53.3%,スクリ-ニングの有効性レベルでは敏感度が51〜88%,特異度が60〜85%程度であり,わが国の小学校におけるう蝕ハイ・リスク児の検出に一次的な意味合いから相当の効果をあげるものと期待できる。
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