研究課題/領域番号 |
01301002
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹市 明弘 京都大学, 教養部, 教授 (60067569)
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研究分担者 |
北尾 宏之 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (00211194)
加茂 直樹 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10027691)
大峯 顕 大阪大学, 教養部, 教授 (50030101)
内山 勝利 京都大学, 文学部, 助教授 (80098102)
有福 孝岳 京都大学, 教養部, 教授 (20031586)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 個体 / 生命 / 自然 / 行為 / コミュニケ-ション / インフォ-ド・コンセント / パタ-ナリズム / インフォ-ムド・コンセント |
研究概要 |
生命概念は、古くから西洋でも東洋でも哲学や宗教の中心的理念として、宇宙観や形而上学の休系の基盤をなしてきた。近代に至って物質と精神の二元輪が有力になっても、両方をつないで統一的な世界観を形成するためには、生命概念を究明することが常に有力な方法であった。しかし、科学技術の極度に発達した現代においては、古代中世的な生命概念はむろんのこと、近世的な生命概念をもってしても、新しい科学の諸知見や医療技術の進歩に伴う諸問題に的確に対応することが困難になってきた。我々はこうした現代的状況をふまえ、平成元年度には、東西における生命概念の歴史的再検討を行い、その伝統的な諸理解をもとにして、現代科学の提供する生命の諸問題との対決的な研究を行なった。平成2年度には、この研究成果をもとにして、現代における生命の問題を単にバイオテクノロジ-や医療技術の問題としてではなく、現代世界における自然と人間の共生可能性の問題としてとらえ、生命倫理学をはじめとする哲学的・倫理学的研究を通じて、新しい生命観の創成に向けて総合的な研究を行なった。具体的成果としては、まず著作『生命倫理の現在』 (世界思想社、1989年6月)があげられる。ここでは、本研究参加から加茂、塚崎、戸田、北尾、平石がそれぞれの研究課題に即した論文を発表している。更に、研究代表者の竹市は、1989年度のドイツ現象学会に招待されて講演(テ-マ:"Individuum und Welt“,ヴッパ-タ-ル、5月18日)、更にCollege internationale de Philosophieの主催した国際会議において講演(テ-マ:"Individuum,Welt und Erde“,パリ、9月27日)を行なった。また、加茂直樹は、自ら研究の集大成としての著作『生命倫理と現代社会』 (世界思想社、1991年3月)を発表した。これらは数年前から開始されていた我々の生命概念の研究の成果に基づくものであって、本科学研究費による研究援助の意義は大である。
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