研究課題/領域番号 |
01301042
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
佐々木 潤之介 一橋大学, 社会学部, 教授 (60017613)
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研究分担者 |
森 安彦 国文学研究資料館史料館, 教授 (30020613)
賀川 隆行 財団法人三井文庫, 研究員 (90087908)
伊藤 忠士 名古屋大学, 教養部, 教授
松田 之利 岐阜大学, 教養部, 教授 (90021766)
稲田 雅洋 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00093089)
高橋 秀夫 秋田工業高等専門学校, 教授 (60042272)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 日本 / 一七〜一九世紀 / 地域概念 / 民衆意識 / 政治支配 / 経済変動 / 社会変動 / 民衆違動 / 地域の構造 / 民衆運動 / 地域社会 / 構造 / 史的発展 |
研究概要 |
本研究の課題は、近世から近代にかけての各時代を生きた人々が地域をどのように把握したかを明らかにすることである。 地域史における地域は、分析の前提的な枠組としての意味を持ち、往々にして行政区分、あるいは集落単位やそこの組み合わせに依存してきた。そのもっとも端的な例は、市町村史や都道府県史に求めることができるが、実証的な諸研究の多くもその時々の行政区分を分析の前提的な枠組として用いている。しかし、各時代に生きた人々が観念した地域は分析の前提的な枠組みとして設定された地域とは別のものであるはずであり、人々は自らの観念する地域を前提にして生活し行動し思考したはずである。しかも、そのような地域は、時代により、場所により、またそれぞれの属する階層によって異なっていたはずである。 本研究の課題は、従来、比較的顧みられることのなかったこのような意味での地域の特質を、民衆の地域概念が多様化し行政的な再編を受けながら大きく変転すると考えられる一七〜一九世紀を中心し多面的に明らかにしようとしたものである。 本研究で得られた知見は次のように整理できる。人々の地域概念は政治的、経済的社会的な要因に規定される。具体的には、政治支配の形態や経済的社会的な特徴が比較的均質な空間を一つの地域と捉えており、村や町などの行政単位を超える場合が一般的である。さらに、階層的には上層ほどの空間が広くなるが、活動範囲の広い商人層など、その存在形態の違いによっても、地域概念には大きな違いがみられる。 研究はまだ緒についたばかりであり、こうした視角からの研究が積み重ねられることによって、民衆の行動の特質への理解がさらに深まるものと確信する。
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