研究課題/領域番号 |
01301050
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
志垣 嘉夫 (志恒 嘉夫) 九州大学, 教養部, 教授 (80078831)
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研究分担者 |
渡邊 昌美 高知大学, 人文学部, 教授 (60036522)
瀬原 義生 立命館大学, 文学部, 教授 (30066534)
里見 元一郎 清泉女子大学, 文学部, 教授 (70089267)
木村 尚三郎 東京大学, 名誉教授 (80012269)
青山 吉信 日本女子大学, 文学部, 教授 (00060583)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 生活意識 / 中世死生観 / 中世修道士 / 中世伝承 / 中世貴族 / 中世市民 / 十字軍 / 絶対王政 |
研究概要 |
1.西ヨ-ロッパ人の生活意識の原型が中世にほぼ形成されたので、中世の生活意識や文化意識の形成を、青山はイングランドのグラストンベリ修道院が驚くべき詳細虚構の伝説を作り出した歴史的背景を検討し、朝倉は修道制にしめる「手の労働」の持つ意味を問い、八塚は十字軍を通して中世民の宗教意識を考察し、渡邊は奇蹟・聖者・聖遺物を介して、亡霊・幻覚の問題にアプロ-チし夢幻の中に生きていた修道僧たちの幽明の境を論じた。 2.中世西ヨ-ロッパは農村社会に立脚するロ-カリズムを基調としているので、木村は中世・近世代の日常性の意義を「成功しない時代」=絶対主義時代に絞り込んで明日に対する確信が後退した時代との類似性を捉え、「調和と連帯」のポスト・モダン史学の確立を説き、鯖田は同じく中世・近世代の個人衛生が果した歴史的意味を分析し、高齢化社会を迎えた現代における個人衛生の復権を強調した。木津は中世初期の門閥貴族が解体・変質した後に台頭してくる地方貴族の家族構造を分析した。 3.中世は諸地域を結ぶユニヴァ-サリズムも存在していたので、瀬原は中世人一般の経済観念を把握し、そこからその特殊形態でもある都市民の観念を抽出する作業に従事し、平城はグルントヘルシャフトの成立から生活史へ接近する方法を模索し、井上は中世都市民の生活意識の諸相について多面的な展開を試みた。里見はルネサンス文化を導きだした現世主義の台頭の中に世俗騎士団の成立とその意義を論じた。 4.近世にはいると国家権力が民衆の生活と文化を規定し始めるが、阪口はプロイセン改革のカントン制度を通して民衆の軍隊観を検証し、志垣はフランス歴史人口学の成果を踏まえて近世民の家族と性を主として婚姻に絞ってその慣行と実態を明らかにした。
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