研究課題/領域番号 |
01301071
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
阿部 齊 放送大学, 教養学部, 教授 (30054315)
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研究分担者 |
半澤 孝磨 (半沢 孝磨) 東京都立大学, 法学部, 教授 (80086967)
田中 治男 成蹊大学, 法学部, 教授 (50014436)
小山 勉 九州大学, 法学部, 教授 (40018817)
五十嵐 武士 (五十嵐 武) 東京大学, 法学部, 教授 (60009818)
有賀 弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50013008)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | フランス革命 / アメリカ革命 / 国家形成 / 近代国家 / 官僚制 / 常備軍 / 教育制度 / 議会 |
研究概要 |
本プロジェクト最終年度である本年度は、前半期に集中的に研究分担者の研究成果報告会を多数開催して共通の理解を深め、後半期には研究論文を執筆・完成させることに主眼をおいた。最終的に次項に記すように多数の論考が生み出され、とりわけ『年報政治学』が刊行される運びとなったことはまことに幸いであった。 本研究の課題は、すでに大量の研究が蓄積されている革命そのものの分析では必ずしもなく、むしろ革命が米仏両国の国家形成に与えた影響を可能なかぎり理論的視角から考察することであり、その点で相当な困難を当初より内包するものであった。しかし、「典型的」な社会革命を経験し、また「典型的」な中央集権的国家を作り出したフランスと、社会的変革の少ない温和な革命しか経験せず、革命後も分権的な国家しか生み出さなかったアメリカとを、正面から取り上げて考察することにより、これまでかなり無批判的にフランスのパタ-ンを近代国家形成の典型例とみていた学界の基本的態度に一定の修正を迫る成果も提出されたと考えている。 革命そのものについてみれば、フランス革命は絶対主義体制を暴力的に転覆したのに対し、アメリカ革命はすでにアメリカ人が享受していた自治や風土化された民主主義をいわば確認したものであった。また、フランスにおける近代国家諸制度の形成は、残存する「旧体制」の遺制を破壊しながら行われなければならず、集権的政府構築の必要性も大きかったのに対し、アメリカでは「国家」が社会と明確に分離しない、きわめて特異な「近代国家」が形成されることになった。このような基本的相違は、行政府、とくに官僚制の性格、あるいは財政政策、地方自治制度、行刑制度、議会の機能など、多くの側面で確認することができた。また教育制度や政治思想についても、このような基本的制度的違いの影響は否定しがたいように思われる。
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