研究分担者 |
小林 弘明 農林水産省, 農業総合研究所, 研究員
沢田 学 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (60142791)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (40163729)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
藤田 夏樹 東京大学, 農学部, 助教授 (30190044)
沢田 裕 北星学園大学, 経済学部, 教授 (10118119)
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研究概要 |
農業部門を米と畜産の2つの部門に分けて,それぞれの農業構造について主に短期的な予測を行ない,次の知見を得た。 1.米に関する主な政策を,流通政策,米価政策,生産調整政策の4つに分け,それぞれが農業構造に及ぼす影響について研究を行った。その結果,次の結論を得た。 (1) 流通政策によって,米流通はその根幹において自由化され,価格は需給関係を忠実に反映して形成されるようになった。 (2) その結果,米価政策は,主に下位等級米の価格の下支えをするという役割に縮少した。 (3) 購入自由化をおこなうと,その農業構造に及ぼす影響は深刻である。ことに北海道,東北,九州などの地域では。75%以上の生産調整を行なわねばならなくなることが判明した。 2.牛肉の輸入自由化を本年4月に控え,その農業構造に及ぼす影響はきわめて大きいと思われるが,自由化直前の牛肉経済の状況を分析した結果,その結論に達した。 (1) 国産牛肉の市況が堅調に推移し,これに反して輸入牛肉の市況は軟調を示しているが,この理由は,主に品質差によるものと推定された。 (2) 自由化後は,これまでよりも品質の良い牛肉が輸入されることが予測され,国産牛肉市場をこれまでよりも強く圧迫すると思われる。 (3) その結果,牛肉の生産構造,ことに繁殖経営および酪農経営に及ぼす影響が,これまで以上に強くなると予測された。
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