研究分担者 |
大仁田 義裕 東京都立大学, 理学部, 助手 (90183764)
加須栄 篤 大阪大学, 理学部, 助教授 (40152657)
西川 青季 東北大学, 理学部, 助教授 (60004488)
佐藤 肇 名古屋大学, 教養部, 教授 (30011612)
丹野 修吉 東京工業大学, 理学部, 教授 (10004293)
市田 良輔 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (10094294)
|
研究概要 |
本研究は,多様体上の種々の幾何構造の性質と,幾何構造と多様体構造の関連について,全国の幾何学研究者の協力の下に総合的に研究することを目的とした。まず計量構造に関連して酒井は測度に関する不変量の間に成り立つ不等式の中で特に曲面の等縮不等式,等径不等式についての結果を得た。最近の計量構造と位相構造の関連についてはM.グロモフの一連のアイデアが大きな影響を与えている。加須栄はグロモフの収東定理の証明を与えてそれを漸近的非員曲率開多様体の構造についての研究に応用した。また加須栄は板東重稔,中島啓と共に,ALE多様体の無限造点のまわりの局所産標系の構成を幾何学的条件の下に与えた。計量構造と位相構造に関して深谷賢治,山口孝男はグロモフのアイデアを発展させて概非正曲率多様体,概非員曲率多様体の構造に関して決定的な結果を得ている。 多様体上の他の幾何学的構造の中でも接触計量構造の研究は日本で生れ育つたが、丹野は接触形式に附随する標準的リ-マン計量を変分学の観点から調べ、ボツホナ曲率テンソルを導入した。また佐藤はリ-の球面幾何を一般の接触多様向上のG構造から促える観点を促唱し、田中の理論を適用した。 他方最近の幾何構造の研究において偏微分方程式等の解析学の新しい発展を応用する方向がある。極小曲面や調和写像の研究はその例であるが、西川は葉層構造の研究に熱方程式を適用した。調和写像については加須栄,内藤による解析的研究、大仁田等による幾何学的研究がある。 なお本研究費により、極小曲面に関するSurvey研究会(東大),幾何に現れる変分問題についての研究会(大阪市大文化交流センタ-),岡山での研究会を開催した。いずれも参加者達に研究会資料を配布して、活発な討論質疑応答があり有意義であった。
|