研究分担者 |
相原 安津夫 九州大学, 理学部, 教授 (80037291)
島崎 英彦 東京大学, 理学部, 教授 (50013751)
斎藤 常正 東北大学, 理学部, 教授 (90111335)
加藤 誠 北海道大学, 理学部, 教授 (60000824)
水谷 伸治郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022538)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1991年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1990年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1989年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
日本列島は東北日本と西南日本の2つの地質区に大別される.両地質区は多様な年代と地質構造を持つテレ-ンで構成されているが,そのテレ-ン相互の関係や年代については,不明確な点が多かった.本総合研究では,北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・琉球において9の"地域別Geotraverse"と、島弧ー海溝系・火山地帯・鉱床地帯・自然災害・島弧全体・堆積岩・火成岩・Suture Zoneと変成帯・燃料地質・古生物についての10の"テ-マ別Geotraverse"を研究の主要テ-マとして調査研究を実施した。本研究の主要な成果は以下の通りである. (1)飛騨テレ-ンで飛騨岩麻岩を貫く"灰色花崗岩"は、従来,先カンブリア紀と考えられ,飛騨片麻岩が日本列島の先カンブリア紀基盤である証拠とされてきた.この灰色花崗岩中のジルコンやモナザイトのThーUーtotal Pb isochron(CHIME)年代を測定し,灰色花崗岩は三畳紀初頭(約240Ma)に飛騨片麻岩に貫入したものであることを明らかにした. (2)南部北上テレ-ンの石炭紀"氷上花崗岩"中のモナザイト・ジルコンのリムは約250MaのCHIME年代を示す.この年代は,飛騨テレ-ンの灰色花崗岩の年代と一致する.これから,現在は東北日本と西南日本に区別される日本列島も,三畳紀初頭には一連の地質区であったことが明らかになった. (3)日本列島の三畳紀からジュラ紀の堆積岩に含まれる砕屑性モナザイトやジルコンは,東北日本,西南日本を問わず,約2000Ma,1700ー1500Ma,1250Ma,850Ma,550Maおよび400MaのCHIME年代を示す.約200Maと1700ー1500Maの年代は,日本列島で最古の上麻生礫岩中の石英ー長石質片麻岩の原岩形成年代および変成年代にそれぞれ一致する.日本列島には,先スンブリア紀中期までさかのぼる古い基盤岩類が広く存在していたことが明らかになった.
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